質問(1)どのような佐賀県にしたいか。最優先で取り組みたいことは。

山口氏 「和」の魅力さらに磨く
 「佐賀だからこそ」という部分をさらに創出し、過去と未来がつながるような輝く地域にしていきたい。

 多くの外国人観光客が訪れているように、佐賀には歴史や景観、物産から、『葉隠』のような精神面に至るまで、本物の「和」の魅力がある。今ある佐賀の良さを組み合わせたり、デザインの視点を取り入れたりするソフト事業で、さらに磨きを掛けていく。

 自発の地域づくりを進めていくには、担い手が必要になる。CSO誘致に取り組んできたのは、さまざまな人材とノウハウが、人と人とをつないでくれるからだ。県もしっかりと支援するが、このような「民」が中心になる取り組みを伸ばし、もっと民間が「躍る」部分を広げていきたい。

今田氏 命を守る県政最優先に
 佐賀空港へのオスプレイ配備計画、玄海原発の稼働、諫早湾干拓事業と、佐賀県は世論を二分する大きな問題をいくつも抱えている。いずれも命と暮らしに関わる問題であり、県政で今、優先すべき大切な仕事は命を守ることだと考える。

 オスプレイは世界各地で墜落しており危険で、配備計画には反対する。原発はそこで働く労働者と地域住民の命と健康を脅かしているだけでなく、再生可能エネルギーの普及を阻害していて、即時廃止すべきだ。有明海も排水門を開けてこそ再生が果たされる。

 拙速に事を進めれば次世代に大きな影響を与えるので、多様な場所で議論を積み重ねるべきだ。いずれも国策でやってきたので、国政を変えれば転換できる。

 

質問(2)人口減少が進む中、地域活性化や産業の振興にどのように取り組むか。

山口氏 時代の変化認識が必要
 人口が減ると、農家や小規模な商工業者に限らず、どのような産業でも後継者の問題が生じてくる。いかにして次の世代に取り組みをつなげていくのかが大きなポイントになる。

 大切なのは、時代が変化している認識を持つこと。グローバルに人やモノが行き交い、AIやIoTといった第4次産業革命が起きている中で、1次産業にも変化の可能性があり、組み合わせ方は何通りもある。

 ただ、かつての護送船団方式のように、県が一律に指導するのではなく、事業者や農漁業者が自ら選択するやり方でなければ足腰の強い産業はできない。多少、時間はかかるが、行政と民間のすみ分けをして、自力で考えてもらうフィールドをつくる必要がある。

今田氏 生活基盤の安定不可欠
 子どもを産み、育てるには、安定した生活基盤が欠かせない。仕事の確保や育児休暇制度の充実、復職支援などに関する県としての取り組みを強化したい。

 保育園や幼稚園、学童保育の場などを増やし、職員も補充する。より良い待遇を求めて、福岡県などの隣県に保育士や教員が流れているということも聞く。佐賀県単独の予算を使ってでも、教職員を増やすことにも取り組みたい。

 同一労働同一賃金の原則に立つのであれば、最低賃金が全国で異なる現状も改善すべきだと思う。そうでなければ、人が多い所が富み、少ない所は衰退するという仕組みにならざるを得ない。県でできること、国に訴えるべきことを区別しながらやりたい。

 

質問(3)さまざまな国策課題を抱える中で、国とどのように向き合っていくのか。

山口氏 対等関係で向かい合う
 佐賀県には原子力発電、防衛省の佐賀空港使用要請、国営諫早湾干拓事業、九州新幹線西九州ルートの国政課題がある。1期目は県民の安全・安心を最優先に考えながら対処するということで、誠実に、真っすぐに向かい合ってきた。

 基本的に国と地方は対等な関係にある。「国の方が偉い」「国が上」という認識はかけらも思っていない。大臣が来たからといって物おじしたり、従ったりするわけでもなく、「佐賀のことは佐賀で決める」と言ってきた。自分たちで考えて消化していくことを訴えてきたつもりだ。

 国政課題への対応は、説明に一定の時間がかかる。やってきたこと、考えてきたことを県民に知ってもらうことが大切だと思う。

今田氏 国の政策転換働き掛け
 県民の意見を代弁するのが知事の最大の責任。前回の知事選で現職が掲げたスローガン「佐賀のことは佐賀が決める」にあえて触れるが、当選すれば私はその言葉を守るし、現職も初心に立ち返ってほしい。

 反原発団体が各市町に要望に行くと「一行政の長では『原発をやめてください』とは言えない」という答えが返ってくると聞く。本来、言うことはできるはずだ。知事がその先頭に立てば各市町も言えると思う。

 九州電力の玄海原発だけでなく、佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画、諫早湾干拓事業はいずれも国の政策で、人の手と政治の力で解決できるものだ。さまざまな問題と併せて、国に政策転換をするように働き掛けていきたい。

 

質問(4)行政の透明性や情報公開、公文書管理の在り方が問われている。どのように取り組んでいくか。

山口氏 情報できるだけ公開
 公約の「大局方針」では「透明で澄んだ県政」を真っ先に掲げた。議論はできるだけガラス張りにし、うそ偽りなく、誠実に行うことが肝要だ。リーダーが「うそをつかなくていい」というメッセージを職員に発することが大切で、山口県政の根幹部分になる。

 何かを隠そうとすると無理をして変な判断をしたり、職員も苦しい思いをしたりする。1期目に実践して着実に浸透してきているし、大きな不正はなかったと思う。開かれた場で議論して問題点が指摘されれば、途中で修正したり、施策を取り下げたりもする。

 情報公開では個人情報や交渉の経緯など、真実が出せない部分は慎重に整理するが、基本的には「できるだけ開く」姿勢でいる。

今田氏 適切な制度運用必要
 森友学園問題の公文書偽造や、加計(かけ)学園問題の面談記録の破棄など、安倍政権の姿勢はとんでもない。都道府県を指導すべき立場の国が、データを改ざんしたり、法律を破るような行為をしたりするなんて許せない。

 適切な情報開示が求められるのは県も同様だ。一方で、「全てオープンにせよ」という立場は取らない。政策的に検討した結果、現時点では開示できない内容もあり得ると思う。必要な公開制度は、おおむね整備されてきている。運用さえ適切なら、制度を活用して主なデータは取れると考える。

 行政機関として役に立つ情報を提供するためにも、県民や労働者が真に求めているデータが何かを考え、集める姿勢も必要だろう。

 

質問(5)憲法改正の是非や内容についての考え方は。

山口氏 参議院の在り方議論を
 憲法改正は、今やるべきものが何なのかを真正面から議論すべきだ。参議院の在り方はその余地があると思っており、地方の人口が減少する中で、本当に人口割合の定数でいいのか、憲法で決着をつけてほしい。

 今後、さらに加速的に東京や大阪などに人口が集中すれば、都市部の代表ばかりが国会議員になる。この人たちが、自らの議席を失ってまで過疎地域に定数を戻すような法改正をするとは思えない。そうなれば、国の行く末を都市の住民だけで決めることになる。

 今ならまだ、かつての高度成長期などに働きに出ていった地方の出身者が都市部にもいる。参議院のあるべき姿はしっかりと議論し、是非を問う国民投票にかけてもいいと考える。

今田氏 現憲法暮らしに生かす
 「国だって間違いを起こすことがある」という大戦の深い反省の中で現在の憲法は作られた。私は立憲主義の立場。憲法の最大の理念は、暮らしや命を守ることだと思う。地方や国民の権利を制限する動きもあり、安倍晋三首相が訴える9条を含む改憲には反対だ。

 憲法に対する考え方は違うにしても、安倍首相のやり方はむちゃくちゃで、その政権下での改憲反対は野党でほぼ一致しているし、自民党内部からも賛同を得られるのではないか。

 雇用や教育などさまざまな課題を考えた場合、憲法を変える前に、まず憲法を生かせというのが、多くの人の気持ちだと思う。知事選でも憲法を暮らしに生かし、命を守るという大きなスローガンを掲げて戦う。

 

 

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