佐賀大が選抜・商標登録したキクイモの新系統「サンフラワーポテト」を手にする松本雄一農学部講師(中央)と、きやまファームの吉田猛さん(左)、栁〓浩司さん=基山町

「サンフラワーポテト」は従来の品種より機能性成分「イヌリン」を多く含み、表面の凹凸が少ないという

26系統から選抜、生産者と契約栽培

 佐賀大学が選抜、商標登録したキクイモの新系統「サンフラワーポテト」が今冬、本格デビューする。キクイモが生活習慣病対策の健康食材としてテレビ番組などで取り上げられ、近年注目を浴びる中、サンフラワーポテトは一般的な品種より機能性成分を豊富に含み、栽培面でも病気に強い特長があるという。関係者は「佐賀大発のブランド」として一層の普及、拡大を期待している。

 サンフラワーポテトは、佐賀大が全国26系統から選抜し、2017年2月に商標登録した。血糖値の上昇抑制や中性脂肪の低下、腸内環境の改善に効果があるとされる成分「イヌリン」の含有量が在来系統より多いのが特長。表面の凹凸が比較的少なくて加工しやすく、キクイモの重要病害・白絹病に強い性質もある。現在は佐賀、福岡、熊本、山口4県の生産者などと許諾契約を交わして約5ヘクタールで栽培し、11月から収穫期を迎えている。

 県内の栽培面積は2市1町の50アール。このうち基山町の農業生産法人きやまファームは、耕作放棄地対策として町が飼育に力を入れるエミューを放牧する圃場(ほじょう)15アールで育てている。春に種芋を植えて9~10月に花が咲き、茎が枯れる12月~来年3月ごろまでが収穫期という。同法人の吉田猛さん(65)は「畝を作るまでは少し大変だが、いったん植えてしまえば放っておいても勝手に育つので、ほぼ手はかからない」と話す。同法人は地元の製薬会社と連携し、サンフラワーポテトを使ったサプリやゼリーの試作品開発にも取り組む。

 研究を担当する佐賀大農学部の松本雄一講師によると、味はゴボウのような風味でレンコンのようなシャキシャキした食感がある。「揚げても煮ても、焼いても生でもおいしい」と松本さん。佐賀大の学生たちも調理法を紹介する動画を作ったり、企業が集まるフェアに出品したりして普及活動に力を入れる。

 今季の収穫量は4県合わせて50~100トン程度を見込む。まだ流通量が少なく、直売所などでしか販売できないのが課題といい、松本さんは「いろんな産地で生産量を増やし、手軽に食べられるようにしていきたい」と話す。

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