移植のために採取されたタイラギの稚貝=藤津郡太良町

 休漁が続く有明海の高級二枚貝タイラギの復活に向け、佐賀県は14日、県沖で稚貝の移植を始めた。人工と天然の約1~2万個体を、ナルトビエイの食害を受けにくい藤津郡太良町沖や、佐賀市の東与賀沖など5地点に集約し、産卵や繁殖を促す「母貝団地」の創出につなげる。

 県水産課によると、本年度に九州農政局の委託で200地点を調べた結果、稚貝が鹿島市沖約10キロの海域に集中して生息しているのが確認された。

 この海域で太良町の県有明海漁協大浦支所の潜水器漁業者らが稚貝を採取した。県はこのうち1050個体と中間育成した人工稚貝600個体を繁殖に適した増殖場に移し、網かごをかぶせて保護する作業を実施した。来年1月にかけて10日間で天然貝を1~2万個体、人工貝は2千個体をめどに移植し、来夏の産卵まで生育状況を確認する。

 天然稚貝は8隻の漁で計2666個体が採取されたが、漁業者の一人は「稚貝を見つけるのも難しくなっている」と険しい表情で話した。大浦支所の弥永達郎委員長は「たくさん採れているという数字ではなく、漁場環境の改善などの取り組みが必要」と述べた。

 移植はタイラギの資源回復に向け、本年度から強化された国と有明海沿岸4県が連携する取り組みで、九州農政局の藤山健人農地整備課長は「再生産につながっていくように期待したい」と述べた。

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