「佐賀の偉人像展」を開いている德安和博さん。右は江藤新平、奥は副島種臣の胸像=佐賀市の画廊憩ひ

「鍋島直正公胸像」(FRP)

「島義勇胸像」(FRP)

「羽根のないクビド」(テラコッタ)

 日本の近代化を進め、新時代を切り開こうとする気概が、精悍(せいかん)な表情と、重厚なたたずまいから漂ってくる。佐賀大学芸術地域デザイン学部教授で彫刻家の德安和博さん(51)が「佐賀の偉人像展」を開いている。佐賀藩10代藩主・鍋島直正をはじめ「七賢人」の胸像が“そろい踏み”。幕末、維新期に躍動した7人の功績に触れ、人柄までもうかがい知れる展観となっている。

 德安さんは「肥前さが幕末維新博覧会」の一環で、佐賀市の駅前まちかど広場に藩主就任直後の直正や藩校・弘道館に学ぶ、若き日の賢人たちの像を制作。今回の個展は、これらの「若き賢人」の企画が固まる前に試作を重ねた“隆盛期”の七賢人像を中心に、約20点を並べる。

 「新たな国づくりにかける決意や気力など、偉人たちが内に秘めた部分まで伝わる作品に」という思いを込めて制作した胸像は、粘土で原型を作り、石こうで型どりしてFRP(ガラス繊維強化プラスチック)で成型。賢人の輝かしい業績に思いをはせ、きらきらとした金属的な風合いを出そうと、アクリル絵の具で彩色した。

 会場で半円状に並ぶ七つの胸像の中心で、堂々の存在感を放つ直正。穏やかな表情を浮かべながらも、積極的に西洋の科学技術導入を図るなど、佐賀藩の近代化を主導したリーダーとしての風格が漂う。直正の命で蝦夷(えぞ)地調査を行った島義勇は、調査をやり遂げた充実感がにじむ。德安さんは「佐野常民の博愛精神、副島種臣の文化人としての一面など、偉人たちのトータルの人物像と、彫刻性を楽しんでもらいたい」と話す。

 胸像のほか、このほど完成した島の銅像のひな形やまちかど広場の副島種臣像の原型も展示。テラコッタ(素焼き)の「羽根のないクピド」など、偉人関連以外の小品も充実している。

 ▼佐賀市天神の画廊憩ひで23日まで。16日午後3時からギャラリートークが開かれる。電話0952(23)2353。

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