交通マナー改善に向けたゆるキャラ「マニャー」。エアコンの吹き出し口から、ドライバーに佐賀弁で安全運転を諭す

「マニャー」を生み出した鹿島市出身の映像ディレクター大石勝敏さん=佐賀市の県庁

 佐賀県民の交通マナー改善を目指し、新たに誕生したゆるキャラ「マニャー」。9月からインターネット上で動画が公開され、愛らしい姿と潤んだ瞳でドライバーに安全運転を呼び掛けている。マニャーの生みの親で映像ディレクターの大石勝敏さん(38)=鹿島市出身=は「マニャーを見ただけで運転に気を付けようと思ってもらえたら」とキャラのさらなる浸透を期待する。

★「マニャー」の公式サイトはこちら(動画リンクあり)

 マニャーは猫の姿をした妖精で、車のエアコンの吹き出し口からドライバーを見守っているという設定。佐賀県は人口10万人当たりの人身交通事故発生件数で全国ワーストレベルが続いており、若い世代向けの広報啓発事業で、ゆるキャラを活用した大石さんのアイデアを採用した。

 大石さんは、大学時代に鹿島市を舞台にした短編映画「フルフェイス家族」などを監督し、ユニークな発想や視点が評価され国内外の映画祭で上映された。現在はデジタルコンテンツ制作会社「ビー・プライム」(東京都)でディレクターを務め、テレビやウェブのCMを手掛けている。

 今回は頭ごなしにルール順守を呼び掛けるよりも、「事故を起こすと人生がどうなるかを切実に訴えるほうが、“自分ごと”として響くと考えた」と大石さん。身近な動物がモチーフのキャラクターにその役割を担わせることにし、「マナー」と鳴き声の「ニャー」の言葉遊びから猫に決めた。

 シナリオと絵コンテも手掛けた。事故を起こしそうになった運転手にマニャーが「ねえ、さっき脇見運転しよったでしょ?」と佐賀弁で問い掛け、「今まで人を傷付けたことがないあなたでも、一瞬で人殺しになるけんね」と気の緩みの代償を突いた言葉も入れた。

 マニャーの動画再生回数は、これまで10万回を超える。県はチラシやポスターを作り、建設会社がマニャーを使ったのぼり旗を製作するなど民間での活用も広がりつつある。大石さんは「車に乗ると『マニャーがおっちゃなかかな』と思ってしまう自分がいる。車内で同乗者から『そがん運転ならマニャーが出てくっよ』と冗談が出るような会話が広がればうれしい」と話す。

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