参加者からの質問などをもとに意見交換が行われた「リアル弘道館ゼミナール」=佐賀市の旧古賀家

 肥前さが幕末維新博覧会テーマ館となっている佐賀市の旧古賀家で9日夜、大隈重信をテーマにした「リアル弘道館ゼミナール」が開かれた。早稲田大学大学院の島善高教授の講義の後、参加者40人と意見を出し合いながら、国民に慕われた「民衆政治家」の実像に迫った。

 島教授は、大隈の信条に、「葉隠」の四誓願の一つである「大慈悲を起し人の為になるべき事」の一文が刻まれていたと指摘。「人のために生きるということが心の支えになっていた」と大隈の行動原理を解説した。

 大隈の憲法意見書に「真利」という言葉が使われていることに対し、法学者の小野梓の影響を強調し、「困った人を助け、人のためになることを『真利』ととらえていた」と説明した。

 ゼミの後半では、大隈重信記念館の江口直明館長と大坪由季学芸員、佐賀の八賢人おもてなし隊の青柳達也さんも参加した。大隈が国民に慕われた理由について江口館長は「大隈は移動で駅に着くと、民衆から何か演説してくださいと言われた。その時に、地域の特性や人物を織り交ぜて上手に演説した。サービス精神が人気につながったのでは」と述べた。

 島教授は明治維新150年について、「維新は、封建社会から立憲社会への移行だった。中国、ベトナムでは明治維新への関心があり、世界的な意味を持っている」と総括した。

このエントリーをはてなブックマークに追加