夕日に染まる「浜野浦の棚田」。水田と海岸が織り成す光景が人々を魅了する=東松浦郡玄海町(4月23日撮影)

 玄海町は観光名所「浜野浦の棚田」の保全活動などに取り組む「地域おこし協力隊」を募集している。棚田は地権者や耕作者の高齢化により景観維持が難しくなっており、町産業振興課は「地域住民と一緒に保全策を考えてほしい」と期待を込める。

 国道204号沿いにある棚田は海に臨み、「日本の棚田百選」「恋人の聖地」の認定を受けている。田に水が張られる春の大型連休には、展望台から沈む夕日も見えるため大勢のカメラマンも訪れる。町によると、大型連休中の観光客は、2012年は738人だったのに対し、17年は1706人と倍以上に増えた。

 名所としての認知度が上がる一方、高齢化や担い手不足は深刻だ。普通の水田より手間がかかる割には作付面積が狭く収穫量は少ない。耕作者は現在13人。同課担当者は「正確なデータはないが、耕作者は減っている。このままでは景色を残せないかもしれない」と危機感を募らせる。

 その対策として町は昨年、「棚田条例」を策定した。棚田を重要な財産と位置づけ、行政と住民が協力して保護していくと決定。地域おこし協力隊は、条例に基づいて募集する。

 主に棚田保全に取り組む「浜野浦の棚田プランナー」と、棚田米や佐賀牛など町特産品の販路開拓を担う「地域商社プランナー」を1人ずつ求めている。1月31日まで受け付ける。

 棚田保全組合の組合長で、自身も棚田を耕す松本正弘さん(66)は「若い人が来てくれるのはありがたいが、単発ではなく長期間の支援をしてほしい」と話している。

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