市民図書館100周年の歩みをたどる前田英明館長=鹿島市生涯学習センター

 佐賀県の鹿島市民図書館開館100周年を記念した講演会が1日、市生涯学習センターエイブルホールであった。今年は明治維新150周年で、鹿島鍋島家が学問を重視し最後の藩主直彬なおよしは「図書館の建設」を遺言に記していたことなどを紹介。今の蔵書文化につながる遺志を見つめた。

 前田英明館長が図書館の歴史をひもといた。現・鹿島高図書室へ継承される「藤津郡図書室」は学生が資金集めなどに奔走し開設したと紹介。青年団の父と称される田澤義鋪よしはる氏も功労があった一人という。現在の市民図書館の前身は1918年に鹿島鍋島家の支援を受けて設立。前田館長は「蔵書は公益のため広く公開するという直彬公の遺志が反映されてきた。活字離れが叫ばれる今、図書館の役割を考え続けたい」と結んだ。

 この日は、国文学研究資料館館長のロバートキャンベル氏を講師に迎えた。九州大学に留学した際、日本近世文学研究の第一人者、中野三敏氏=武雄市出身=の指導を仰ぎ、祐徳稲荷神社に何度も足を運んで古文書を研究した。講演で「古典の知が重厚に残っており奇跡に近い。研究に尽くす原点は鹿島だった」と話した。

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