J1残留を決めたサガン鳥栖の選手たちに最後まで惜しみない声援を送る鳥栖サポーターら=茨城県立カシマサッカースタジアム

 J1残留を告げる試合終了の笛が鳴り響くと、サガン鳥栖サポーターは「やったあ」と歓喜を爆発させた。鹿島アントラーズと引き分けた茨城県の県立カシマサッカースタジアムでのリーグ最終戦。苦しいシーズンを共に乗り切ったサポーターと選手は試合後、互いをたたえ合うように温かい拍手を送った。

 ゴール裏のアウェー席には、普段より多いサポーターが陣取った。事前販売だけで1600枚のチケットが売れ、ベテランは「軽くいつもの2倍以上」とうなった。鹿島市出身の会社員木庭健一郎さん(41)=横浜市=は「サポーターの力で絶対、残留を決める」と緊張感を漂わせた。

 序盤は鳥栖がチャンスをつくり、サポーターも勢いづいた。「いけるぞ」。ジャンプと応援歌で選手を鼓舞するが、ゴールネットを揺らすことはできず、0-0で折り返した。サポーターはハーフタイムの間も他会場の経過をスマートフォンで確認した。

 後半は押し込まれる展開が続いたが、サポーターの士気が下がることはなかった。ロスタイム4分と発表されると、サポーターは祈りにも似た叫び声を上げ、選手を後押しした。

 ゴール裏の最前席で90分間ジャンプし続けた佐賀大1年の塚本遼さん(19)は、試合終了の笛と同時に崩れ落ち、タオルで顔を覆って涙をぬぐった。「本当に苦しいシーズンだったけど、これで来年もJ1で戦える」。震える声で喜びをかみしめた。

 得点力に苦しみ、堅守に活路を見いだして踏ん張ったシーズンを象徴するような試合だった。「鳥栖らしかった」「残留できたから全部OK」。サポーターらは抱き合い、ピッチ越しに記念撮影してねぎらい合った。鳥栖市の会社員長友正さん(37)は「J1になって一番厳しいシーズンだったからこそ、得たものも大きい。来季、改修された新しいスタジアムで上位争いをしてほしい」と期待を寄せた。

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