青竹を打ち鳴らして厄(やく)をはらうカセドリ=佐賀市蓮池町の熊野権現神社(2017年2月撮影)

 モーリシャスで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)政府間委員会は29日、佐賀市の「見島(みしま)のカセドリ」や秋田県の「男鹿(おが)のナマハゲ」など8県10件の伝統行事で構成する「来訪神 仮面・仮装の神々」を無形文化遺産に登録すると決定した。異形の「神」が家々を毎年回るという、なじみ深い行事が世界的な評価を得た。

 いずれも厄災を払って幸福をもたらすとされる10件だが、過疎化や少子高齢化に伴い、神に扮(ふん)する担い手の確保が課題になっている。各地で保護の取り組みが進められており、遺産登録が今後の活動の弾みになることが期待される。

 このうち、「見島のカセドリ」は佐賀市蓮池町の見島地区にある熊野権現神社に由来し、350年以上の伝統がある。神の使いであるカセドリに扮した未婚の青年2人が家々を巡り、新年を祝福する。カセドリ役はみのと笠(かさ)を身にまとい、先端を細かく割った長さ1・8メートルの青竹を打ち鳴らす。家内安全や五穀豊穣を願う小正月行事で、現在は2月の第2土曜日に開いている。

 日本の無形文化遺産登録は、唐津市の「唐津くんち」が含まれた2016年の「山・鉾(ほこ)・屋台行事」(18府県)以来、2年ぶり。ただ形式上は、09年に単独で遺産登録されていた甑(こしき)島(鹿児島)のトシドンの「拡張」と扱われるため、総数は21件のままで変わらない。政府間委員会最終日の12月1日、遺産リストに記載される。

 来訪神の10件は、それぞれ国の重要無形民俗文化財に指定され、関係自治体と住民らが保存・振興のための協議会を組織している。登録の可否を事前審査するユネスコ補助機関は「地域文化の多様性を示している」などとして10月、登録を勧告していた。

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