「限られた時間をどう生きるか」。がんと向き合う経験を基に、会場に語り掛ける延哲也さん(右)=佐賀市立図書館

 がんと向き合う元高校教師の延(のぶ)哲也さん(44)=福岡県大川市=が26日、佐賀県佐賀市で「最後の授業」と題し講演した。会場の外にまで集まったかつての教え子らに「命には必ず限りがある」。穏やかな語り口で元気でいられる尊さを訴え、どう生きていくべきか問い掛けた。

 昨年春まで福岡県の社会科の高校教師だった延さん。「必ず教壇に戻る」と自分を奮い立たせた闘病生活を振り返り、在宅緩和ケアを始めた今も「その気持ちは変わらない」と続けた。

 中学1年で小児がんを発症。治療に耐えて教師の夢をかなえ、命の大切さを生徒に伝えたかったが、「自分の経験を言えば、同情で終わってしまう」。38歳で再び、大腸がんに襲われるまで内緒にし、「何気ない会話に元気で居続けてほしいという願いを込めた」と当時の心境を明かした。

 「最後の授業」には約300人が参加。元教え子らが大勢駆け付け、会場を急きょ変更した。講演後には抱えきれないほどの花束を手にした延さんを囲み、記念写真する姿があちこちで見られた。

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