筑肥線唐津変電所(左奥)に隣接する高架下に設置された電力貯蔵装置=唐津市和多田

 JR九州は20日、筑肥線の西唐津-福吉(福岡県糸島市)約19キロ間で、電車がブレーキをかけて減速する際に生じる「回生電力」を蓄え、運行時に再利用する仕組みを初めて導入した。唐津市和多田にある唐津変電所に電力貯蔵装置を設置して対応した。鉄道事業の収支改善が課題となる中、電力の有効活用で省エネを図り、コスト削減を目指す。

 減速時の回生電力は熱となり、利用されることはほとんどなかった。今回は回生電力を、架線を通じて貯蔵装置に充電し、加速時などに再利用する。電力削減量は同区間で約8%、西唐津-姪浜(福岡市)間の電化区間全体では約2%を見込んでいる。

 非常時の電力供給源にもなり、停電時に駅間に停車した列車を最寄り駅まで移動させる活用法も想定している。同日に現地で運用開始式典があり、同社の古宮洋二取締役常務執行役員が「削減できる電気料は少しだが、こういうものが積み重なり、経費節減になる。こんな発想で仕事をしていくのが大切」と語った。

 筑肥線はJR九州の数少ない直流電化区間で、蓄電池の機器がシンプルで済み、投資効果があると判断した。交流電化区間への導入は難しいという。

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