人手不足が深刻化する物流業界。福山通運の日曜日の集荷・配達中止について支持の声が聞かれる=県内

 人手不足が深刻化する物流業界で、大手の福山通運(広島県)が今秋、日曜日の企業向け貨物の集荷・配達をやめると発表した。休日配送が当たり前だった業界の商慣習を見直す契機になるとともに、休日が増えることで若手求職者に魅力的に映る効果があり、県内の事業者からは「人材確保につなげたい」と支持の声が上がる。働き方改革が地方の物流業界にも広がるか、今後の動きが注目される。

 福山通運は企業間物流が中心で、大型トラックで一度に荷物を大量に輸送することが多いという。ただ、大型免許を持つ運転手の高齢化が進み、人手不足につながっている。また、大型免許の取得には21歳以上で普通免許での運転経験3年以上という資格制限があることも人手不足に拍車をかけている。

 福山通運の日曜配送中止について、県内の事業者からは評価する声が多い。ミヤハラ物流(神埼郡吉野ヶ里町)の社長で、県トラック協会青年部会会長の宮原章彦氏は「深刻な人手不足や働き方改革が根底にあるのだろう。業界大手が積極的に休みをとることで、中小企業が取引先に休みを申し出るきっかけにはなるはず」と期待を込める。

 トラック業界は低賃金で長時間労働のイメージがあるため若手が少なく、高齢化が進む。唐津市の松浦通運社長で県トラック協会の馬渡雅敏会長は「ヤマト運輸の値上げもそうだが、業界のために大手が先頭を切って宣言をしてもらったのはありがたい」と話す。

 馬渡会長は「今の若い人たちは、休みの多さが業界を選ぶ際の大きなポイントになっている」といい、「大手が旗振り役になってくれることで、地方の中小企業も声を上げやすい。若い人たちが集まりやすくなるだろう」と語った。

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