2016年に完成し運用されている水素ステーション。利用が1日1台ペースにとどまっている=佐賀市神野西

 燃料電池車(FCV)の普及を目指し、2015年度末に開所した県内唯一の水素ステーション(佐賀市神野西)の利用件数が、1日1台ペースにとどまっている。高額な車両価格がハードルとなり、県内のFCV保有台数が16台と普及が進んでいないため。建設時には、FCVの普及促進に取り組む国が1億8千万円、県が2億5千万円を補助。運営費は国が毎年2200万円程度補助している。

 ステーションは日本エア・リキード(本社・東京)が建設、運営している。県新エネルギー産業課によると、ステーションの利用台数は16年度が238台、17年度は356台で、前年度比で118台増えた。県外のFCVが利用するケースもある。

 ステーションには、従業員2人を配置。燃料は1キロあたり1300円。トヨタの「ミライ」は、約5キロ充塡し、参考値として650キロメートルほど走行するという。

 全国にステーションは100カ所あり、九州では福岡に9カ所、佐賀、大分に1カ所ずつある。ステーションのない地域では、自動車メーカーはFCVを販売しない方針のため、九州ではこの3県でしか購入できないという。県内のFCV16台のうち、5台は県、1台は佐賀市の公用車。残り10台を民間が保有している。開所当初は、5台(うち2台は県公用車)だった。

 国補助金の交付を決定している一般社団法人「次世代自動車振興センター」によると、佐賀市のステーションの場合、設置時に最大1億8千万円を補助、運営費を最大2200万円補助している。担当者は「個別の補助額は非公開だが、補助額はほぼ上限額」としている。本年度は全国86カ所に同様の運営補助交付が決まっている。

 FCV普及で最大の課題となっているのが、高額な車両価格。購入補助などを利用しても、負担額は「500万円台」(同課)に上る。多くの自動車ユーザーにとって、購入の選択肢にならない実情がある。

 ステーション利用とFCV普及の現状について同課は「EVでも同じだが、ステーションがないと(ガソリン車に代わる)選択肢にならない。県内の保有台数が増えたことは、開所の成果と言える。水素社会の実現につなげたい」としている。

このエントリーをはてなブックマークに追加