佐賀ロケのきっかけをつくり、渥美清さんと感激の対面をした嘉村範史さん。両側は両親=平成元年11月9日、富士町古湯の北部山村開発センター

 映画寅さんシリーズの42作目「男はつらいよ ぼくの伯父さん」の佐賀県内ロケが行われているさなか、ロケ誘致のきっかけとなった少年剣士、嘉村範史さん=当時(12)=が、寅さん役の渥美清さんと感激の対面を果たした。

 嘉村さんは3歳の時、事故で右手の指をなくしたが、小3から始めた剣道では左手だけで大会に優勝するなど活躍。寅さん映画の大ファンで「剣道の練習している学校や町が、嘉瀬川ダム建設で沈む前に一度来てほしい」と手紙を出し、渥美さんが感動したことがロケにつながった。

 対面した渥美さんは「私はこれまで虚構を演じてきた。大きなハンディを負った少年が剣道で頑張っているのを知り、物語じゃないんだと痛感した。これからも何かを信じて、頑張って」と激励。嘉村さんは「うれしい」と目を輝かせた。

 県内ロケは3日にクランインし14日までの12日間、渥美さんのほか、吉岡秀隆さんや後藤久美子さん、壇ふみさんらが吉野ケ里遺跡、松原神社、小城高などで各シーンを演じた。

 渥美さんが1996(平成8)年に死去し、シリーズは途切れていたが、松竹映画は第1作から50年を迎える来年に公開する新作の製作を発表。山田洋次監督がメガホンを取り、主要な配役はそのままで、渥美さんのシーンは過去のシリーズの名場面を組み合わせて構成するという。後藤さんも23年ぶりに女優復帰する。

このエントリーをはてなブックマークに追加