在宅血液透析を行うためのトレーニングをする患者(右)=伊万里市立花町の前田病院

 腎不全の患者が受ける人工透析で、伊万里市の前田病院が「在宅血液透析」を始めた。通院して透析を受けるケースと異なり、患者自身が自宅で操作をするため、自由に時間を決めることができる。こまめに長時間の透析を行うことで治療効果も得られるという。

 人工透析には血液透析と腹膜透析があり、日本透析医学会によると2015年末現在、透析患者の約97%が医療機関で血液透析を受けている。主に在宅で行う腹膜透析は自己管理が難しいなどの理由で、選択する患者は約3%にとどまる。

 血液透析も自宅に透析機器を設置すれば在宅治療が可能だが、一定の費用負担や機器操作などの技術訓練、介助者の協力が必要なこともあり、全患者の0・2%しか普及していない。

 前田病院は「患者のライフスタイルに合わせた治療ができるように、多くの選択肢を用意する」として、機器を貸し出す形での在宅血液透析の導入を決めた。県内では唯一という。

 医療機関での血液透析は週3回、1回当たり4時間程度が主流。前田病院は効果が高くなるとして週3回で1回当たり6時間以上の長時間透析を推進している。在宅血液透析は、長時間の透析を望んでも病院が遠くて通院が難しい人や、通院による拘束が負担になっている人に適していると説明している。

 住居に設置する透析機器は病院が無償で貸し出すが、水道や電源の整備など工事費が必要になるケースもある。水道・電気代も月1万円程度かかる。治療費の自己負担額は通院の場合と変わらない。訓練期間は約3カ月で、現在3人が準備を進めている。

 県内の透析患者数は16年末現在で2446人。前田病院の小林稔行診療支援部長(55)は「在宅血液透析には自己責任と自己管理が伴うが、長時間、週3回以上の透析を行うことで食事や水分の制限がほぼなくなる」と話す。問い合わせは電話0955(23)5101。

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