「ヘルプマーク」の普及を目的に、キャンピングカーで九州を横断している辻さん=武雄市

 水色の車体にアニメのキャラクターをあしらったキャンピングカー。ひときわ目を引く車がこの秋、佐賀県などを巡っている。運転手は手と足に障害がある滋賀県野洲市辻廣樹さん(62)。外見で障害が分かりにくい人が、周囲から配慮を得られやすいようにする「ヘルプマーク」を広めようと、10月中旬に武雄市を訪れた。「見えない障害」への理解を目指し車を走らせた。

 辻さんは武雄郵便局や新武雄病院などを訪れ、ヘルプマークを啓発するポスターの掲示を促した。目立つ車がきっかけで知り合った住民とも積極的に交流し啓発した。

 活動の契機は今夏、飲食店で見かけたヘルプマークのポスターだったという。「障害を持つ当事者として力になれれば」と、滋賀県内の飲食店や病院などの施設にポスターの掲示を求める活動を始めた。佐賀県のほか、福岡や長崎、熊本県も巡った。今後は中国地方を回りながら滋賀県へ戻る予定。

 辻さんは、15年11月に左足を剥離骨折、人口関節を入れる手術を行った。その後リハビリに励む中、左足のしびれに気づき「後縦靱帯(じんたい)骨化症」と診断された。手や足にしびれが残り、つえをついて歩く生活が続いている。

 ヘルプマークを携帯し始めたのは6月から。「最初は抵抗があった」。ためらいもあっていたが、「転んでしまったら誰かの助けが必要になる。マークは自分の障害を代わりに説明してくれる存在」と、かばんとつえに付けて持ち歩いている。

 佐賀県も7月から県庁や保健福祉事務所、各市町などでヘルプマークを交付している。辻さんは「マークを付けた人同士で声を掛け合うことはあるが、マーク自体の認知度が高まっているとは言いがたい」。それでも「佐賀県をはじめ、九州の人に一人でもヘルプマークを知ってほしい」と活動に力を入れる。

このエントリーをはてなブックマークに追加