「イエス!○○クリニック!」でおなじみの院長先生が、先日尿管がんであること、腎臓やぼうこうにも病変があることを公表されました。「軽くはありませんが深刻な状態ではありません」という言い回しは、とても平易な表現でありながら、一般の方にも私たち専門家にもわかりやすいメッセージが込められていて、この先生の非凡さを際立たせていると感じました。

 さて尿管がんというのは、比較的珍しいがんです。2015年には尿管がんで亡くなる人が年間1500人を超え増加傾向とされています。同じ年の統計では肺がんの死亡者が7万4000人、胃がんが4万6000人でした。死亡者数は生存率にも左右されますので単純比較はできませんが、それでも尿管がんの患者さんは少ないということがお分かりいただけるかと思います。

 尿管というのは、左右の腰のあたりにある腎臓と、下腹部にあるぼうこうをつなぐ、長さは25~30センチ程度、太さは4~7ミリ程度の細いパイプのような臓器です。腎臓でつくられたおしっこが尿管を通ってぼうこうに運ばれます。

 尿管がんの特徴として、腎盂(う)(=腎臓の内側にある尿の通り道)やぼうこうにも飛び石のようにできることや、尿管の壁が薄いために比較的早くから周囲の臓器へ直接到達(浸潤)してしまうことが知られています。症状としては血尿が最も早く出現し、がんが大きくなり尿管が詰まって尿の流れが悪くなると、腰痛や背部痛が見られますが、症状が出ずに進行することもあり、早期発見が難しいのも特徴の一つです。

 おしっこの通り道にできるがんは、痛みなどを伴わない血尿で見つかることが多いですから、血尿が出たらすみやかに近くの医療機関を受診されることをおすすめします。(なかおたかこクリニック院長 中尾孝子)

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