国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門の開門問題を巡り、農林水産省が九州農政局(熊本市)に設置していた開門事務所を今年3月末で廃止したことが23日、分かった。開門に向けた準備や開門調査などを担当する部署だったが、国が開門しないことに方針転換したため「不要になった」としている。

 事務所は2010年12月に開門を命じた福岡高裁判決が確定したのを受け、12年4月に設置した。開門に伴う農作物被害を防ぐための対策工事の設計などを受け持ち、開門した後は環境への影響の調査、評価の事務も行う予定だった。体制はピーク時には21人になっていて、技術専門官らも配置していた。

 国は昨年4月、開門せずに漁業振興の基金によって解決を目指す方針を表明した。開門事務所を廃止する前の今年3月、開門関連訴訟の福岡高裁の和解協議で国の主張を採用する和解勧告が出ていた。開門を求める訴訟当事者の漁業者側は受け入れずに協議は決裂し、7月に開門の確定判決を事実上無効化する判決が言い渡された。漁業者側は上告している。

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