道徳教育をテーマに講演した大阪教育大の長尾彰夫名誉教授=佐賀市の鍋島小

 本年度から小学校で教科化された道徳の授業の在り方を考える講演会が13日、佐賀市の鍋島小で開かれた。大阪教育大名誉教授の長尾彰夫さんが道徳教科書の内容に触れ、マニュアル通りとならず、教師の主体性や子どもの感性を授業に生かすよう呼び掛けた。

 長尾さんは、道徳の教科書に掲載されている教材のうち、節度や節制をテーマにした「かぼちゃのつる」を紹介。畑をまたいで伸びたつるが、トラックにひかれて痛い目を見るという内容を、「かぼちゃはわがままで節操がないとしているが、生きようとするのが生命。子どもたちはどう思うだろうか」と疑問を投げ掛けた。

 また、道徳の授業で指導案通りの答えを子どもに求めれば、「正解」を当てる作業になりかねないとも指摘した。「上から目線なのが今の道徳教育。市民道徳は市民が決める」とし、指定された教材のテーマにとらわれず、教諭が主体的に問い掛ける必要性も訴えた。

 長尾さんは同大学学長も務めた教育方法学の専門家で、全国各地で講演や公開授業を行っている。講演は教育研究佐賀県集会(県教職員組合主催)の一環で、教職員や一般の来場者ら約200人が聴講した。

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