小城市牛津町の身体障害者の任意団体が少なくとも過去2年間、会員数を偽り市などから補助金約77万円を受給していた問題で、佐賀県内の関係団体に動揺や不安が広がっている。牛津町の団体は高齢化で役員のなり手が見つからず、会費の徴収業務もできずに、7月に事実上解散していた。同様の課題は多くの団体が抱えており、「自分たちもいつまで続けられるか」と深刻に受け止めている。

 「役員の大半が70~80代。交代するのは体が動かなくなったときくらいで、10年以上務めた人もいる」。牛津町の団体代表の男性(71)は、役員のなり手が見つからなかった状況を嘆いた。近年は、障害者の子どもや配偶者に役員を引き受けてもらう「苦肉の策」で乗り切ってきた。

 福祉施設に入ったり、障害年金だけで暮らしたりする高齢者が増え、会員の継続を断られるケースも多くなった。年会費は1500円だが、「払ってくれとは強く言えなかった」と男性は振り返る。

 こうした課題は多くの団体に共通する。県身体障害者団体連合会によると、県内の身体障害者の手帳所持者は4万人を超える一方、小城市など傘下の14団体の会員は昨年3月末時点で3200人にとどまる。

 会員は毎年、数百人ずつ減り、小城市三日月町の団体で20年以上役員を務める男性(72)は「年を取るばかりで、うちもどこまで持つか」と懸念する。県内では昨年3月、役員の高齢化を理由に脊髄損傷者の団体も解散したという。

 背景には、個人情報の保護の観点から手帳所持者の情報が得られず、勧誘が難しくなった側面もあるが、小城市内の4団体を束ねる市協議会の下村仁司会長(72)は「お金を払って入会するメリットを感じてらえていない」と受け止めている。役員の高齢化で、新たな取り組みをする余力がないのが実情という。

 会員確保の手だてとして県内には障害者手帳の交付を受けた人の同意を得て、団体に連絡先を紹介している自治体もある。ただ、情報の提供には慎重なところが多く、小城市も団体の自助努力に依存している。

 市高齢障がい支援課は「他の団体との均衡も図りながら、どのような支援ができるか検討したい」と話す。今回の問題を受けて本年度分の執行を停止している補助金は、市協議会を通じて他の3団体にも配分される仕組みで、影響が長期化しないように対応を検討している。

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