佐賀県唐津市議会は16日、原発事故に伴う損害賠償額について現行の最大1200億円から大幅な引き上げを求める意見書を全会一致で可決した。政府の専門部会が、事故に備えて電力会社に義務付ける賠償措置額の引き上げを見送る案をまとめたことに対し、是正を求めている。

 専門部会は賠償の仕組みを定めた原子力損害賠償法の見直しを検討し、8月に報告書の最終案をまとめた。東京電力福島第1原発事故後、上限引き上げの必要性が指摘されていたが、政府と電力会社間で調整が付かず、引き上げを見送った。政府は賠償措置額を据え置いた原賠法改正案を国会に提出する方針。

 意見書は、玄海原発から5キロ圏内の人口が立地する東松浦郡玄海町よりも唐津市が多いことから「実質的に立地自治体と同様」と位置付け。福島原発事故の処理費用が21兆5千億円とする政府試算(2016年末)に触れ、「1200億円は180分の1にしかならない」と指摘し、「被害者の救済などを目的としている以上、大幅な引き上げを求める」と主張する。

 安倍晋三首相と文科相、経産相、原子力規制委員会委員長宛てで提出する。

 唐津市議会独自の意見書で、日本共産党唐津市議団が発案し、六つある会派の調整会議でまとめた。共産の浦田関夫議員は「企業の責任として福島事故前と同じなのはあまりにひどい。教訓を生かしたとは言えない」と話している。

このエントリーをはてなブックマークに追加