全日本ろうあ連盟(東京)は15日、旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術や人工妊娠中絶を施された可能性が高い聴覚障害者は21道府県の男女109人に上るとホームページ(HP)で公表した。手術件数は、同じ人が複数回受けたケースなどもあり127件だった。連盟は3月に全国調査に着手。コミュニケーションを取るのが難しい聴覚障害者の被害の概要を初めて確認した。

 9月には聴覚障害がある兵庫県内の夫婦2組が神戸地裁に国家賠償請求訴訟を起こしており、今後も調査に被害を名乗り出た人たちが提訴する可能性がある。

 連盟は「子どもを産み育てる権利を奪われた事実は無視できない。障害者団体や弁護団、国会議員と連携して運動を急ぐ必要がある」と今後の方針を発表。11月中旬以降に具体的な取り組みに関する検討チームを立ち上げるという。

 連盟のHPによると、109人は男性26人、女性83人。21道府県のうち兵庫が14人(男性3人、女性11人)で最も多く、三重の13人(男性4人、女性9人)が続いた。佐賀は4人(男性1人、女性3人)。

 手術別で見ると、女性に対する「不妊」は46件で、「中絶」が39件。1人が複数回の不妊手術を施されたり、不妊と中絶の両方の手術が行われたりした人もいた。認知症や高齢で記憶が明確でないことによる手術方法の「不明」も16件あった。男性に対する不妊手術である「断種」は人数と同じ26件だった。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加