今春から佐賀北高で教壇に立つ久保貴大さん(左)。放課後には野球部副部長として、後輩たちの指導にあたる=同校グラウンド

 2007年夏の甲子園で全国制覇した佐賀北高のエース久保貴大さん(26)=佐賀市=が、今月から保健体育教諭として母校の教壇に立っている。野球部の副部長にも就任。後輩でもある生徒たちに「努力の大切さを伝えたい」と、授業に、部活に励んでいる。

 久保さんは甲子園で、宇治山田商(三重)との延長十五回再試合を含め、全7試合に登板。切れ味鋭い変化球を武器に優勝投手となった。卒業後は筑波大に進学。名古屋市の社会人チームで2年間過ごした後、夢だった高校教師になるため、14年に帰佐した。

 昨年、2度目の受験で県の教職員試験に合格、今春採用されたが、この間も野球から離れてはいなかった。佐賀大大学院で人の動作を分析するバイオメカニクスを学び、佐大附属中の軟式野球クラブで指導も経験した。

 現在学校では新米教師、副部長として、始業前にデスクワークをこなし、放課後の練習には毎日顔を出してノックバットを振る。「講師の経験もなく、右往左往する毎日」と言いながら、がむしゃらに目の前の課題に打ち込む姿は現役時代と変わらない。恩師の百崎敏克監督(60)も「まずは一人前の教師になれ」とエールを送る。

 「今は毎日が充実している」という久保さん。「授業も部活も試行錯誤しながら少しずつ経験を積んで、いつか自分たちが甲子園に行ったときのようなチームをつくりたい」と話す。自らの姿勢で努力の大切さを伝えられる教師を目指して、“全力投球”の日々だ。

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