サッカー・J1サガン鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督(50)が解任されることが、9日までに関係者への取材で分かった。リーグ最終盤での監督交代は異例だが、関係者は「心を一つに選手の能力を最大限に引き上げるため」と、J2降格圏脱出の最善策であることを強調する。リーグ戦は残り5試合。背水の陣での戦いとなる。 

 「きょうの取材は勘弁してほしい」。解任報道から一夜空けた9日、クラブは午後3時から約2時間、鳥栖市の北部グラウンドで練習を行った。サガン鳥栖U-18監督から昇格する金明輝(キンミョンヒ)氏(37)が指揮したが、混乱を避け、完全非公開での船出となった。

 クラブも同日夜、金氏がチームの指揮を執ると発表した。

 クラブが賭けに出たのには理由がある。今季J1はかつてない大混戦。夏場にフェルナンド・トーレス、金崎夢生の両選手を補強したのに、いまだ残留への道筋が見えないからだ。

 鳥栖は第29節(6日)の湘南ベルマーレ戦で苦杯を喫し、J2自動降格圏の17位に後退した。守りは安定しているものの、総得点は23点と最も少ない。それでも15位ジュビロ磐田と鳥栖の勝ち点差はわずか3にすぎず、し烈な残留争いが続く。

 フェリックス・マガト氏の招聘(しょうへい)に失敗した16年1月に就任を引き受けたフィッカデンティ監督は、いわばクラブの“救世主”。前半戦でクラブワーストの7連敗を喫しても、竹原稔社長(57)は「解任することはない」と明言していたが、最低目標の「残留」を勝ち取るため、苦渋の決断を下す格好となった。

 金氏は兵庫県出身でジェフユナイテッド市原などでプレー。11年にJ2鳥栖で引退した後は、鳥栖の下部組織を指導してきた。現コーチ陣で唯一、S級ライセンスを持っていたことで終盤の立て直しに白羽の矢が立った。

17位でも降格回避可能性

 し烈な残留争いを繰り広げるJ1リーグ。基本的には17、18位がJ2に自動降格し、16位はJ2の3~6位トーナメントを勝ち抜いたチームとの入れ替えプレーオフ(PO)に臨むが、今季は例外もありうる。

 J2開幕から好調を維持し、現在3位の町田ゼルビアはJ1ライセンスを持たず、2位以内に入っても昇格できない。3位以下の繰り上げは認められておらず、仮に町田が2位までに食い込むと、J1の自動降格が一つ減り、17位が入れ替え戦に挑むことになる。

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