定期整備のため陸上自衛隊木更津駐屯地に到着した米軍普天間飛行場所属のオスプレイ=6月25日、千葉県木更津市

防衛省、佐賀施設整備まで検討 機体整備も抱え市長「遺憾」

 防衛省が佐賀空港への配備を目指す自衛隊輸送機オスプレイ。12月下旬以降にも米国から納入される見通しで、佐賀側の施設整備が実現するまで、千葉県の陸上自衛隊木更津駐屯地への暫定配備を検討している。木更津は昨年2月から米軍オスプレイの定期整備も担う。オスプレイに揺れる「基地の町」の今を追った。

 7月1日。木更津市内に2200人が集まり、「オスプレイ暫定配備反対」と声を上げながら行進した。主催した市民団体の事務局長、野中晃さん(78)は「少しずつ関心が広がってきたけれど、まだまだ。そこは沖縄や佐賀とは状況が全然違う」と話す。

「無関心」の市民も

 太平洋戦争後、米軍に接収された木更津飛行場。1956年から自衛隊基地として運用されてきた。市内には多くの自衛隊関係者が住み、日常的に市街地上空を自衛隊機が飛び交う。「市民も漁協も学校も議会も無関心。オスプレイに反対、賛成を言う以前の問題だ」と野中さんは話す。

 佐賀を2度訪れ、オスプレイ配備の反対派と連携を取るが、木更津では反対のトーンは抑え気味だという。「暫定配備の実態は何か、何機来るのか、どんな訓練をいつまでやるのか。賛否以前に市の将来像を市民が決められるよう、国に情報提供を求め、まずは関心を高めたい」と説明する。

「報道先行が不快」

 木更津駐屯地は国内初のオスプレイ定期整備拠点として昨年2月から1機目の整備をSUBARU(スバル)が実施している。今年6月には2機目も到着した。米軍機だけでなく、佐賀空港に配備予定の自衛隊機の整備も担う。オスプレイは5年に1回、腐食、損傷の修復など大掛かりな分解点検が必要で、工期は3~4カ月を見込む。

 しかし、1年8カ月を過ぎた今も1機目の整備は終わっていない。防衛省の担当者は「最初の1機なので慎重に進めている」と強調する。部位ごとに日本語版の手順書を作成し、交換部品や修理用工具の調達にも時間がかかっている点を遅れの原因に挙げる。間もなく1機目が格納庫から出て、試験飛行する予定だ。

 木更津市の渡辺芳邦市長は今年3月の定例会見で、木更津に暫定配備されるとの報道を受け、整備と配備では「次元が違う」とし、「初号機の定期機体整備も完了していない状況の中、このような報道がされた状況は極めて遺憾であり、不快に感じる」と述べた。

 7月、防衛省は渡辺市長に対し、機体の一時的な処置について「さまざまな選択肢を検討しており、木更津に決定した事実はない」と説明した。ただ、省幹部は「佐賀への配備が見通せない中では木更津へ正式に要請できなかったが、佐賀県知事が受け入れ表明をしたことで、話をする環境は整った」とみている。

 ある自民党の千葉県議は市長の発言をこう読み解く。「『不快』と言ったのは正式な要請の前に報道が先行したためで、暫定配備が不快なのではない」。佐賀空港への配備実現には、空港の自衛隊利用を否定した公害防止協定の改定や用地交渉などの手続きが残っている。場合によっては木更津への配備が長期化することもある。「さすがに配備の固定化を望む声は聞かないが、佐賀の着陸料100億円ほどではないにせよ、議員の間では配備に伴う交付金を念頭に『取るべきものは取ろう』と話している」という。

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