小川内の杉を地面にゆっくり下ろす作業を見つめる地元住民ら。移設作業だけで約2カ月かかった=吉野ヶ里町松隈

 福岡県営五ケ山ダムの水没予定地にある山祇(やまづみ)神社のご神木「小川内(おがわち)の杉」(佐賀県吉野ケ里町松隈)の移設作業が4月30日、完了した。2008年に移転された神社近くに約2カ月間かけて移動させた。レール撤去など関連工事は7月まで続く。

 小川内の杉は、高さ24~39メートルの3本の幹が根元で癒着する樹齢700年以上の巨木で、県天然記念物に指定されている。

 この日は、500トンを超えるご神木を、午前10時から約8時間かけて6メートル下げる作業を慎重に行った。10年前まで近くに住んでいた西村哲也さん(75)=福岡県那珂川町=は「幼少期に遊んだ思い出の場所。残してくれてよかった」と古里の仲間と作業を見守った。

 小川内区共有管理団体会長の宗雲荒江さん(83)=吉野ケ里町=は「根付いてくれるかが不安。工事が終わったらみんなで集まりたい」と静かに語った。

 福岡県は、地元住民の意向を受け約8億円かけて工事を実施した。2月24日に作業が始まり、元の位置から南西に水平距離で220メートル、43メートル高い場所に油圧ジャッキで土ごと運んだ。5月中旬に巨木回りの土を埋め戻す。

このエントリーをはてなブックマークに追加