季節の変わり目はなにかと心身に変調をきたすもの。とりわけ今年は異常な猛暑による夏バテ、ストレス、睡眠不足が自律神経の乱れを招き、「頭痛」「めまい」の発症につながりかねません。だらだら続く不快な症状に悩んでいるなら「漢方」を試してみませんか?  豊富な知識と経験を持ち、遠方からも患者が訪れるという「漢方専門医」馬島英明先生にお話を聞きました。

「頭痛」「めまい」にお困りの方へ

現代病の治療に「漢方」が役立つ

 漢方のイメージと言えば、「古くて、何となく怪しそう」「効き目が穏やかな分、治療に時間がかかりそう」と思いこんでいませんか? そんな旧来のイメージを覆し、近年は漢方薬の効力が再評価されています。医療現場での活用も進み、がんや認知症、高血圧、男女の更年期の治療においても有効性が認められているのです。
 そもそも漢方は、江戸時代に発展した日本の伝統医学。漢方医は一人一人の体質・症状をつぶさに観察し、環境や気候も考慮に入れながら、天然由来の「生薬」から作られた漢方薬を処方します。
 体内の「気・血・水」を整えることで、臓腑や器官の本来の働きを取り戻し、健康に導くというのが漢方の理論。自然の理にかなった医学と言えそうですね。

秋冬にかけて注意したい病気

 夏から秋冬にかけては「頭痛」「めまい」を患う人が急増します。
【頭痛】 15歳以上の日本人のうち、3人に1人は「頭痛もち」と言われています。頭全体が締め付けられるように痛む「緊張型頭痛」は、筋肉のこりやストレスが原因とされ、緊張を解きほぐすことが大切です。「片頭痛」は脳の血管が広がることでズキンズキンと強い痛みが出ます。またストレスや更年期に端を発する「心因性頭痛」もあります。
【めまい】めまいの多くは、ストレスや疲れなどによる自律神経の乱れに起因するようです。周囲がグルグル回るように感じる「回転性めまい」は耳に原因があることが多く、体がふらつくような「浮動性めまい」は貧血や血圧の乱れが疑われます。立ち上がったときにクラッとくる「立ちくらみ」は、脳の低血圧状態が関係すると言われています。

慢性的な悩みは「漢方専門医」に相談を

 

 頭痛・めまいはよくある疾患ですが、人によって症状の出方や程度が異なるのが厄介なところ。多くの場合、病院で検査しても明らかな原因が見つからず、根本的な治療ができない状態です。
 しかし漢方なら病名にとらわれず、一つ一つの症状に主眼を置いて薬を処方するため、改善が期待できます(表1・2参照)。とりわけ慢性病に有効とされ、市販薬の連用により深刻化した頭痛の改善にも役立つでしょう。急性病には2、3種の組み合わせで有効例が多数あります。
 ただし自己判断には注意が必要です。漢方でも誤った服用により症状がこじれたり、副作用が出たりすることも。また異常な痛みがある頭痛は脳の病気も疑われ、外科手術が必要になることがあるので、専門の医師に相談することが肝要です。
 おすすめはやはり、豊富な知識と経験をもつ「漢方専門医」(東洋医学会認定)に相談すること。患者の体質と症状を見極めた上で、一人一人に最適な漢方薬を組み合わせる オーダーメイド処方  をするからです。

漢方薬は保険適用

 当院では患者さんと直接お会いし、十分な診察をした上で治療方針を決めるので、電話での相談は受け付けません。「おくすり手帳」など服薬歴や病歴、サプリの利用歴が分かるものがあれば、よりスムーズに診察できるでしょう。
 現在は約150種類の漢方薬に保険が適用されます。頑固な慢性病であっても一歩一歩改善を図り、健康生活を目指しましょう。


馬島医院 院長

馬島 英明

 

ましま ひであき 東京医科大学卒業。1982年、佐賀医科大学外科学、消化器一般外科入局。87年、佐賀医科大学外科学助手。91年、医学博士取得。同大学消化器一般外科医局長を経て、94年1月に馬島医院を開業。日本外科学会認定医。2006年12月、社団法人日本東洋医学会漢方専門医試験に合格。西洋医学と東洋医学を取り入れた医療を実施し、毎年学会で発表。本年度も4回の発表を予定している。

 
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