互いの健闘を誓い合う広島の緒方孝市監督(右)と西武の辻発彦監督=2017年12月、神埼中央公園

 プロ野球のセ、パ両リーグが終盤戦を迎える中、3月の開幕前に抱いた「佐賀県出身監督同士の日本シリーズ対決」という夢が現実味を帯びてきている。鳥栖高出身の緒方孝市監督が指揮する広島が26日、球団初のリーグ3連覇を達成。佐賀東高出身の辻発彦監督が率いる西武も2位以下を引き離し、マジックナンバー5と10年ぶりの優勝は目前だ。ともにクライマックスシリーズ(CS)を勝ち抜くことが必要だが、ここまで来たら両雄の頂上対決をぜひ見たい。

 「本当に選手たちがよく頑張ってくれた。ファンの皆さんと喜びの瞬間を迎えられてうれしい」-。26日のヤクルト戦に勝ち、優勝を決めた広島・緒方監督の言葉である。セ・リーグで過去3連覇以上しているのは巨人だけ。野村謙二郎監督の後を継ぎ、結果を残し続けている4年目の緒方監督がまた一つ偉業を成し遂げた格好だ。

 広島は今季、開幕4連勝と好ダッシュを決めると、圧倒的な強さを見せた。若き4番鈴木誠也や丸佳浩らが高い攻撃力を示し、大瀬良大地やジョンソンら投手陣も順調に白星を重ねた。ただ、途中には悲しい出来事もあった。7月の西日本豪雨で中国地方などが甚大な被害を受け、本拠地マツダスタジアムの試合は3試合が中止された。いまなお避難生活を余儀なくされている地域もあり、奮闘を続ける選手たちの姿に元気をもらった人も多いことだろう。

 一方、就任2年目の辻監督が引っ張る西武の勢いもすさまじかった。切り込み役の秋山翔吾や主軸の山川穂高らが活躍し、7月末には両リーグ通じて50勝に一番乗り。天王山となった15~17日のソフトバンク戦で3連勝し、その後も好調を維持している。現役時代、守備の名手だった辻監督らしく守りの安定感も際立つ。佐賀工高出身で入団4年目の山田遥楓が19日の日本ハム戦に初先発し、初本塁打を放ったのも明るい話題だ。

 とはいえ、本当に難しいのはここからである。昨年のセ・リーグはCSで3位のDeNAが躍進。阪神、広島と連破して日本シリーズに進んだ。優勝チームには1勝のアドバンテージがあるが、しばらく実戦から遠のき、調子が上がりにくい難点もある。セ・リーグはCSに進むことができる3位争いが大激戦で、広島は気を緩めず準備しなければならない。西武にしても2位ソフトバンクに警戒が必要。けがで戦列を離れていたデスパイネら主力が復帰しており、激闘が予想される。

 日本シリーズで佐賀対決が実現すれば県民として誇らしく大きな喜びである。緒方、辻両監督は甲子園出場の経験はないが、地道に練習を重ねてプロで才能を開花させた努力家で、スポーツに熱中している子どもたちに夢を与える舞台にもなるはずだ。(杉原孝幸)

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