構成劇リハーサルの様子=佐賀市文化会館

 来年7月の第43回全国高等学校総合文化祭(2019さが総文)では「総合開会式」が大会の要となる。そのリハーサルを兼ねた「プレ大会総合開会式」が10月14日、佐賀市文化会館で開かれる。今回の「いくぜさが総文」では、プレ開会式のメインとなる構成劇や出演キャストの思いを特集する。また、大会本番まで日一日と近づき、30日には鳥栖市でカウントダウンの「300日前イベント」がある。

 部門紹介は、地元の自然環境や歴史的遺産を若者の視点で見つめる郷土研究部門。実行委員会では、全体運営を担う業務部会と全23部門の代表者が初の顔合わせ会議を開催し、これから力を合わせていく。

文化への思い劇に 式典、交流、構成劇の3部構成

構成劇の稽古を積むキャストら=佐賀市南佐賀の佐賀東高同窓会館

 さが総文プレ大会総合開会式は10月14日、佐賀市文化会館で開かれる。式典、次期開催県・高知県との交流ステージ、構成劇の3部構成で、総文祭に込めた高校生からのメッセージを伝える。

 構成劇のタイトルは「蒼天の翼」。大会テーマの「創造の羽を広げ、蒼天(そうてん)へ舞え バルーンの如く」にちなんでいる。オーディションを勝ち抜いた生徒10人と追加キャスト5人、鳥栖商業高ダンス部が出演する。

 総文祭の県担当者が「見たら泣く」と話す構成劇。劇では、文化部の活動に打ち込みながら自分を見つめ、友人と思いを共有する日々を描き、文化を創造する価値、誰かの心を動かす経験の意味を問い、見つめ直す。そして「楽な道は選ぶものか」と力強く訴える大会イメージソング「Fly」が、重要な役割を果たす。脚本を担当した、いやどみ☆こ~せいさん(佐賀東高演劇部顧問)は「文化の力を信じる高校生の思いを織り込んだ」と語る。

 演出の栗原誠治さん(ティーンズミュージカルSAGA代表)は「面白いせりふをもらってるんだから楽しんでいいんだよ」と役者たちに呼び掛ける。「舞台に上がるからにはプロも素人もない」。楽しくも厳しく舞台を作り、仕上げている。

県外出身だからできること キャストひとこと

平川カノンさん(16)大隈ミライ役・早稲田佐賀高1年

平川カノンさん

 4月に熊本から佐賀に進学し、寮生活を送る。県外出身の自分が、重要な役を演じて良いのか悩んだこともある。今は「県外出身だからこそ、佐賀のことを学び発信していくことに意味がある」と感じている。自分を見つめ直し、今の精いっぱいを出し切りたい。

 熊本県外に出たのは「自分を変えたかったから」。小学4年から中学1年まで、地元劇団でミュージカルの舞台に立っていた。またやりたかったので、芝居の練習が幸せ。

観覧申込、9月27日まで

 プレ大会総合開会式は一般も入場可能。観覧は無料だが、事前の申し込みが必要。受け付け期間は当初予定から延長され、27日まで。

 募集人数(300人程度)を超えた場合は抽選する。後日2次元コード付き観覧チケットが、メールアドレスか住所宛てに送付される。

 申し込みは2019さが総文公式ホームページ、郵送、ファクスで受け付ける。問い合わせは全国高総文祭推進室、電話0952(25)7584。

300日前イベント 鳥栖商業ダンス部が大会PR

構成劇で、カチガラスが大きな橋を作る場面を練習する鳥栖商ダンス部員=鳥栖市の同校

 さが総文の開催300日前イベントが30日午後1時15分から、フレスポ鳥栖1階ウエルカムコートで開かれる。高校生が演劇やダンスなどを披露し、さが総文を県内外にアピールする。

 PRイベントでさが総文を盛り上げるのが鳥栖商業ダンス部。部員14人と顧問の代居(よずえ)満喜さん(45)たちが着々と練習を進めている。ダンステーマは佐賀県の県鳥カチガラスだ。

 カチガラスには七夕にまつわる伝説がある。ある年の七夕、大雨で天の川があふれ、織姫と彦星が逢瀬できずにいた。そのとき、たくさんのカチガラスが集まって羽を伸ばし、大きな橋を作った。2人はその橋を渡って無事に会うことができた、という話だ。この物語をカチガラスの四季とともに表現する。

 ダンスは夏、秋、冬、春、夏という順番で進んでいく。部長の井上真希さん(17)は「最初の夏は8人だが、カチガラスが仲間を集め、最後は14人全員で橋を作る。ここが一番の見どころ」と話す。

 メンバーは初心者がほとんどだが、最近雰囲気が変わってきた。代居さんは「練習中に発する言葉や、毎日つけている練習ノートから感謝や挑戦の気持ちが伝わってくる」と部員の変化を感じている。

 ダンスは創作で、井上さんと副部長の川鍋咲菜さん(17)が部員を引っ張ってきた。2人は「佐賀のことをもっと知ってもらいたい。総文祭に関われてとてもうれしい」と話す。

郷土研究部門6年ぶり開催に喜びの声 研修ガイド役は高校生

今年の郷土研究部門プレ大会で行った巡検研修は唐津コースで実施。虹の松原では清掃活動を体験した=唐津市の虹の松原

 郷土研究部門は、2013年の長崎しおかぜ総文祭以来6年ぶりに開催される。さが総文独自の部門として来年7月29~31日に予定されている。30日は有田町の?(ほのお)の博記念堂で国内各地の自然や遺産の研究発表を行い、31日は唐津など3市町を巡る研修(巡検)がある。

 6年ぶりとなる開催に、全国の社会科系の部活動や指導教員には喜びの声が広がっている。昨年まで神奈川県高文連社会科専門部事務局長を務めた高階淳子教諭も、さが総文のプレ大会を視察して「規模が大きく、研修も充実しているのは総文祭ならでは。貴重な機会」と喜ぶ。社会科系は部活数が少なく、県大会を開けない地域も多いという。

 佐賀の高校生たちは運営側でも活躍する。各市町の巡検は、生徒たち自らガイド役を務める予定だ。有田工業高2年の諸岡佑紀さん(17)は「佐賀の歴史を自分も知れる良いチャンス」と胸を高鳴らせる。唐津青翔高1年の小西将稀さん(15)も「人前に立つのは苦手。でもやるだけやってみようと思う」と意気込む。

例えばこんな活動

虹の松原プロジェクト 松ぼっくり活用したポプリ

メンバーは22人。学科の垣根を越えて活動している=唐津南高校

 特別開催される郷土研究部門は、参加校などの詳細は未定だが、佐賀から発表テーマを挙げるとすると、候補の一つは唐津南高の「虹の松原プロジェクト」。清掃活動で集めた松ぼっくりを使ってSNSで話題になりやすい“インスタ映え”する消臭剤「ポプリ」を制作。慣れ親しんだ虹の松原を若者目線でアピールし、環境保全につなげていく。

 ポプリは若い世代にも手に取ってもらえるデザインを心がけている。カラフルな砂や貝殻を瓶に詰め、消臭機能がある松ぼっくりを添える。まだ商品としては売り出していないが、学校祭やイベントで制作ワークショップを開いている。担当する2年の桑野あみさん(16)は「ポプリが虹の松原のお土産になっていけばうれしい。そうすれば、虹の松原を保全する活動も広がると思う」と期待する。

唐津南高が制作する「ポプリ」。カラフルな砂や貝殻を詰めてインスタ映えを狙う

 8月には県が主催する「企画甲子園」で最優秀賞に輝き、来年のさが総文での発表も目指す。リーダーの藤川天さん(17)は「例えば養鶏農家の子のアイデアから、松葉と鶏ふん灰を使った肥料の開発につながったこともある。身近なアイデアを生かすのが虹の松原プロジェクト」と話す。

 2年で次期リーダーの青木大和さん(16)は「3年生は行動力のかたまりで、憧れの存在」と先輩の背中を追いかける。さが総文は「全国の高校生が虹の松原を見てくれるだけでうれしいし、どんな反応をするか楽しみ。“白砂青松”の虹の松原を何十年後かに実現する一歩になったらと思う」と話す。

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