映画解説をする町山氏=佐賀市のシアターシエマ

 佐賀市のシアターシエマで23日、「午前十時の映画祭9」の特別企画として、アメリカ在住の映画評論家町山智浩氏のトークショーが開かれた。町山氏は参加者から寄せられた質問を基に、映画に描かれた政治的背景などを解説した。

 1979年公開の「チャンス」(ハル・アシュビー監督、アメリカ)の上映後に行われた。映画は長年、屋敷から出たことがなかった主人公チャンスが、主人の死をきっかけに、外の世界に放り出され、大統領候補になるといった数奇な運命を描いたもの。

 トークショーには110人が参加。町山氏は映画を振り返りながら、主人公チャンスはテレビばかり見ていて、字は読めない空っぽな存在だと分析。映画公開の翌年の米大統領選で、ロナルド・レーガン大統領が誕生したことに触れ、「聞き上手だと言われたが、彼自身は空っぽで、当時馬鹿にされていた。この映画は彼の登場を予言したと言われたが、今の米政権を予言しているとも言われている」と語った。

 政治的な面だけでなく、人種的な側面などさまざまな要素が含まれていることについて、「一つのことだけ主張すると人は忘れてしまう、ごちゃごちゃにすると印象に残る映画になる」と評した。

 

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