「産後うつ」の新たな予防策として佐賀市が前年度から導入した健診制度が、一定のリスク軽減につながっている。産後2週間という早い段階でうつの兆候を捉えて支援に結びつけた結果、産後うつのリスクが高いと判断された人の割合が、従来の15%前後から9・2%に改善した。市は、他の自治体にも同様の取り組みが広がることを期待している。

 産後うつは、子育ての不安やストレスによって起きるとされる。国立成育医療研究センターなどのチームが「妊産婦死亡の原因で自殺が最も多い」とする調査結果を発表するなど、社会的な課題になっている。

 佐賀市は2017年7月に「産後2週間健診」を導入した。産院での健診を通じて、出産で受けた身体的・精神的負担から母親がどれほど回復しているかや、子育ての環境が整っているかどうか、産後の気分の変化、赤ちゃんへの気持ちなどをアンケート調査で把握する。産院が支援が必要かどうかを判断した上で、支援が必要な場合は助産師や保健師が自宅を訪問して支援していく。

 産後うつのリスク判定には「エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)」を用いている。産後2週間から働き掛けた結果、産後1カ月の調査で、産後うつのリスクが高い人の割合は前年の14・4%から9・2%まで低下した。

 2週間健診の受診料は市が負担し、本人は無料。前年度は対象者1478人のうち1054人が受診し、支援が必要とされた人は191人だった。

 佐賀市の高リスク者の割合はこれまで15%前後で推移していた。今回の改善効果を受け、市健康づくり課は「早い段階で働きかける効果が出ている。これをモデルに、他の自治体にも取り組みが普及してほしい」と話す。

このエントリーをはてなブックマークに追加