研究にはまず仮説を立てることが大事である。その仮説についていろんな角度から検証、証明して世に発表する◆長年、心と遺伝子の研究に取り組む村上和雄筑波大名誉教授が立てた仮説は「心が遺伝子の働きを調節する」。目には見えない「心」と複雑な遺伝子の関係を分かりやすく説明したいと考え、今から18年前、研究会を立ち上げた◆この仮説に関する村上さんの著書はいくらもあるが、よく出てくる研究成果の一つが「笑いの力」。村上さんは心の働きの一つとして「笑い」があるのでは-と、心と健康の関係性を探る中で、笑うことで糖尿病患者の食後血糖値上昇を抑えることを証明。この論文は世界で大きな反響を呼んだ◆また、赤ちゃんはお腹をくすぐると、キャッ、キャッと楽しく笑う。これをヒントに、ネズミを手のひらの上で遊ばせ、いろいろ試してみた。すると、ネズミもくすぐると50キロヘルツほどの超音波を出すことが分かった。これはネズミの「笑い」なのか◆さらに、くすぐって遊ばせたネズミと、仲間から離して育てたネズミを比較すると、楽しく遊ばせたネズミはストレスに強く、学習能力も高かったという。引きこもり、キレる、自傷行為や自死願望…。人間のいろいろな問題行動の対処法として、この不思議な「笑いの力」を借りてみることも…。(賢)

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