北波多小1年生と一緒に浮立を踊る中村恭子さん(左)=唐津市北波多

 唐津市北波多の北波多小(松野博文校長・248人)が、地域の伝統文化「志気しげ浮立」の保存に取り組んで今年で50年がたつ。毎年運動会で披露しており、同校の教員だった中村恭子さん(84)の指導の下、子どもたちが練習に励み、23日の本番に臨む。

 志気浮立は、江戸中期に北波多の志気地区で五穀豊穣ほうじょうなどを願って始まったとされる。一時は後継者がおらず存続が危ぶまれたが、北波多小に務めていた中村さんが地域住民に請われて継承。文化の保存に努めてきた。

 他校に異動しても、早退して浮立の指導に当たった。同僚の理解を得られず「浮立はもうやめよう」と考えたこともあったが、「地元の人たちの熱い思いに押されて無我夢中でやってきた」と中村さん。「支えてくれた人たちに感謝したい」と話す。

 練習では、初めて踊る1年生が田植えや馬にまたがるような動きを音楽に合わせ何度も繰り返した。中村さんは「指先もそろえたらきれいよ」と細かく助言した。

 運動会の日がお母さんの誕生日という岩村心乃ここのさん(7)は「初めてでどきどきしたけど、うまく踊れて楽しかった。本番はかっこいい踊りを見せたい」と話した。

 運動会当日は、児童全員で浮立を披露。途中から保護者や地域住民も参加し、一緒に踊るのが恒例となっている。中村さんは「日本中を探してもこんな運動会はない。子どもたち一緒に楽しく踊りたい」と声を弾ませた。

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