「鍋島」について講演した飯盛直喜社長=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

 世界最大級のワイン品評会(日本酒部門)で世界一に輝いた銘柄「鍋島」を手がける富久千代酒造(鹿島市)の飯盛直喜社長が14日、佐賀市で講演し、地域と連携した情報発信を続ける鍋島の歩みについて語った。

 90年代の酒類販売の規制緩和でディスカウントストアなどで価格競争が起き、経営が厳しくなる中、飯盛社長は個性を出した地酒を扱う酒屋に出合い、佐賀や九州を代表する酒づくりを目指した。

 当時、佐賀県は普通酒が主流。より精米歩合が高い吟醸など特定名称酒を普及させるため、パートナーにする地酒専門の特約店の発掘に力を入れた。店にはブランド力を高めるために、ディスカウントストアなどへの販売数量を減らすことを宣言。店の魅力的な経営につなげるための勉強会も開いた。会の中で価格を高めに設定した銘柄づくりが決まり、1998年に「鍋島」を立ち上げた。

 「鍋島」は佐賀藩の藩主の名前であったことから、「名に負けないダントツの酒造り」を志した。品評会にも出品し、数々の賞を受賞した。販売は全て特約店に任せており、自社販売も行っていない。

 飯盛社長は「こだわりの売り方で、情報発信を続けていきたい。日々の積み重ねが大事で、10年もすればお酒も変わってくる。未来に受け継がれる酒にしたい」と話した。

 講演会はコンピューターシステム「TKC」を利用する九州の税理士・公認会計士でつくるTKC九州会の特別講演として開かれ、約200人が参加した。

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