「海の事故ゼロキャンペーン」活動中の「まつかぜ」乗務員

 「前後部、もやい放せ」の号令で、巡視艇「まつかぜ」は管内の哨戒のため唐津東港を出港します。守備範囲は広く、唐津湾を中心に東は福岡県糸島市、西は長崎県松浦市までの沿岸、あるいは沖合の海域で発生した海難や人身事故に対応しなければなりません。

 まつかぜは海上保安庁が保有する巡視船艇の中でも小さい部類の船で、全長約20メートルのCL(Craft Large)型巡視艇です。事案対応においては少人数で挑まなければならず、大型船と違って1人で何役もの作業を担わなければならないことも多々あります。

 しかし、小さい船には小さい船なりの利点もあり、小回りが利き、機敏な船体運動性能を持っていることや、水深が浅い海域まで進出して作業ができます。

 当庁における統計では大型船舶よりも小型船舶の海難や救助要請が多く、本船のような小回りが利く艇が重宝される場合もあります。そのためにも日ごろから突発的な海難に対応できるような部署訓練や事件捜査の法務研究を行い、「少数精鋭」を目指しています。

 また、少人数の利点は何事も話が早くまとまることで、事案対応については機関長と協議して、部下の意見も聞きつつ早期に方向性を見いだし迅速な対応ができ、反省会の話もすぐにまとまります。

 秋口から玄界灘は時化しけの日が多くなり、北方に湾口を開く唐津湾には北寄りの風浪がダイレクトに押し寄せます。本船のような小型の艇は沖合まで進出できないこともありますが、海難事故ゼロを目標に気を引き締めて業務に邁進します。(唐津海上保安部巡視艇「まつかぜ」船長・柳本清)

このエントリーをはてなブックマークに追加