社会実験が実施される本通りで離合する車両=嬉野市嬉野町

嬉野市の嬉野温泉本通りを一方通行化する来月の社会実験を前に、地元商店街から反発の声が上がっている。車道を狭めて生まれたスペースを歩道に充てて、オープンカフェなど「憩いの空間」として魅力アップを図る狙いだが、市からの説明が遅れたことや商売への影響を懸念して、商店街の半数以上が「反対」の張り紙を掲げる事態になっている。

 温泉本通りは、中心街を東西に走る480メートル。中央線はなく、道幅は路肩を含めて8メートル。路肩への駐車が常態化し、離合時にも車両が路肩にはみ出す。制限速度の時速30キロを超えて走り抜ける車両も少なくなく、歩行者の安全確保が課題になっていた。

 実験期間は10月6日から14日までの9日間。広げた歩道の一部にオープンカフェなどを設けるほか、車道はスラローム状にして速度を抑制し、荷物を積み降ろす停車帯を設ける。事業費は約1200万円。

 市の計画に反対する商店主は「道路を荷さばきに使ってきた慣行を考えてくれてないし、事前に十分な説明もなかった」と憤る。路肩に駐車する買い物客もおり、店主の一人は「もし一方通行になれば、売り上げの減少もあり得る」と気をもむ。

 社会実験を巡っては昨年11月から、市と商店街組合や観光協会、商工会などの代表で構成する検討会で5回、話し合ってきた。だが、商店主らへの詳しい説明会は議会が予算を可決した後の6月下旬で、その後、商店街側の求めに応じて8月と9月にも1回ずつ説明会を開いたという。

 村上大祐市長は10日の議会一般質問で「賛否が分かれているのは事実」と認めつつ、急増する外国人客や、新幹線の2022年度暫定開業を見据えて「商店街の再生は待ったなし」と予定通り実施する構えを崩していない。

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