自宅の庭に突然生えてきたオニフスベを手にする大川美佐子さん=吉野ヶ里町上石動

 佐賀県吉野ヶ里町上石動に住む大川美佐子さん(69)の自宅横の竹林で白い球体が見つかった。生えていたのは「オニフスベ」。大川さんは「胞子がないとできないはずなんだけどね。不思議」と首をかしげている。

 発見したのは10日夕方。夫の義人さん(76)から「(庭に)なんば捨てとっか」と声を掛けられたことがきっかけ。「何にも捨ててないけど」(大川さん)と、翌朝見に行くと球体四つが転がっていた。

 日本きのこ研究所(群馬)によると、今年はオニフスベに関する問い合わせが多いという。同研究所は夏の全国的な暑さや大雨が原因の一つと考えているという。

 オニフスベは地下で腐植質を分解・吸収しながら菌糸をはびこらせ、竹林内などで気付かない間に発生することがある。同研究所は「菌糸がやっとキノコを作るだけの栄養を蓄え、今年初めて発生したものかもしれない」と推察。今後、数年の間で発生を続ける可能性もあるという。

 約10年前に自宅でシイタケの栽培は始めたが、オニフスベが庭先に生育したのは初めて。最も大きいのはハンドボールほどの大きさ。天ぷらなどにして食べることもできるというが「食べはしない。干せばシイタケみたいにおいしくなるのかもね」と大川さん。味が気になるばかりだ。