オプティムが運用を始めたドローンコネクト。農家、パイロットともにスマートフォンから登録が可能で、作業を依頼、請け負うことができる

森園洋介さんのほ場でドローンによる農薬散布を請け負う菊池薫さん=みやき町

 システム開発を手がけるオプティム(本店・佐賀市、菅谷俊二社長)は、小型無人機・ドローンを活用した農作業を農家に仲介する新たなサービスの運用を始めた。ドローンを飛ばしてほしい農家と、パイロット資格を持つ人とを作業内容に応じて結びつける仕組み。時間と労力を削減して農作業の効率化を図り、「スマート農業」を推進する。

 「DRONE CONNECT(ドローンコネクト)」と銘打ったサービスで、8月から全国展開している。

 依頼できる仕事は、ドローンを使った農薬散布、生育状況を把握するための上空からのほ場撮影、撮影した画像をAIを用いて分析し、病害虫を検知した上で行うピンポイント農薬散布。農家は専用フォームから登録し、依頼内容を入力すれば、地域と作業の難易度に合わせてパイロットが派遣される。パイロット側も取得ライセンスなどを入力して登録すれば、効率的に仕事を請け負うことができ、すでに全国で100人程度が登録している。

 みやき町の兼業農家・森園洋介さん(40)は13日、85アールと37アールの2カ所のほ場で大豆に寄生するヨトウムシやカメムシの防除を実施。ドローンでの薬剤散布は、福岡市の操縦士・菊池薫さん(43)が請け負った。

 森園さんは8月に同じほ場で、ホースを持って手散布した。「一番暑い時期。3、4時間かかって本当に大変だった」。ドローンでスムーズに進む散布に感嘆し、「ウェブで入力するだけで簡単に労力が軽減できた。ほ場診断で農薬を減らせば、消費者や環境にも優しくなる」と今後も利用する考えだ。

 一方、昨年脱サラしてドローンパイロットを始めた菊池さんは「今までは身内や知り合いだけで、外から仕事を請け負うのは初めて。接点があっての仕事なので、いいシステムだと思う」と利便性を強調する。

 近年はスマート農業への意識が高まり、狭いほ場でも小回りが効き、音が静かなドローンは注目を集めている。ただ、産業用ドローンは高価で飛行難易度も高く、気軽に利用するのは困難なのが現状といい、今回のサービスは利用への垣根を下げる狙いもある。

 現在は正式版を前にした試行段階。農薬散布は10アール当たり通常期は1千円~、繁忙期は2千~2500円程度に設定し、無人ヘリでの散布より料金を抑える考え。今後は測量や建設など農業以外の分野にも利用を広げていく方針という。

 オプティムの松本智之ディレクターは「まずはサービスを知っていただくことが大事」とした上で、「ドローンで求められる技術は高い。今後の発展のためにはパイロットの飛行時間数や実地経験などを細かく把握し、技術レベルを担保することが重要になる」と話す。

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