何食わぬ顔で障害者雇用の大幅水増し。国だけでなく府県自治体でも同様のごまかしが…。情けないことだ◆障害のある人が職場を見つけるのは難しい。世間や雇用の側にまだまだ偏見や思いこみがあるからだ。障害者雇用促進法は障害があっても能力と適性に応じて仕事に就き、自立できるよう雇用の場の確保を義務づけている。今回の問題は、この法の精神を踏みにじるものだ◆法定雇用率は国や地方公共団体2・5%、民間企業2・2%などと決められているが、これはあくまで最低比率である。今回、法遵守の旗振り役でありながら「見える数字だけは…」という姑息(こそく)で愚かな考えが透けて見えるだけに罪深い◆以前、精神障害の子を持つ親から「県は法定雇用率は全国トップレベルだと胸張ってます。それはそれで良いことなのですが、中身を見れば精神障害者の雇用は皆無に等しい。数字では見えないものがありますよ」と言われたことが今でも胸に残っている◆数字では見えないものに“こころ”が届いているかが大事だ。4年前になるが、佐賀市の採用試験で障害者枠で受験した青年に内定を出していながら直前に内定取り消しがあった。あの時、小欄が、障害者雇用のお手本になるべき行政が何というお粗末-と怒ったのは、採用の側の“こころ”が見えなかったからである。(賢)

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