陸上自衛隊目達原駐屯地周辺の住宅街上空を離陸、飛行する自衛隊ヘリコプター=神埼郡吉野ヶ里町

 山口祥義知事が受け入れを表明した自衛隊輸送機オスプレイの佐賀空港配備計画で、ヘリコプター部隊が空港に移駐する計画がある陸上自衛隊目達原駐屯地が立地している神埼郡吉野ヶ里町や三養基郡上峰町が地元への影響を測りかねている。防衛省側からの情報提供が依然として乏しく、暮らしや財政の将来像が見通せずに困惑している。

 上峰町の武広勇平町長に防衛省側から1通のメールが届いたのは24日夜のことだった。知事が受諾を表明した日で、県との協議内容を伝える内容だった。その後、担当者が訪れる形での詳細な説明はない。吉野ヶ里町にはメールでの連絡さえなかったという。

 両町は2014年7月に計画が持ち上がって数カ月のうちに、影響を調べる委員会を立ち上げた。ただ、情報が限られ、吉野ヶ里町は「年に1度開いてきただけ」。上峰町も数カ月に1度の関係課による情報交換にとどまり、分析ができずにいる。防衛省側に問い合わせても「防衛上の問題などとして教えてもらえず、具体的な協議もできない」(上峰町)とこぼす。

 防衛省はヘリ約50機と隊員500~600人を空港に移した後も、補給処としての機能は残し、物資輸送のためのヘリの出入りはあると説明している。

 両町が気をもむのは財政への影響だ。駐屯地が立地する自治体には交付金があり、固定資産税の代替的措置となる「基地交付金」や、生活環境や地域開発に影響が及ぶ自治体を対象にした「特定防衛施設周辺整備調整交付金」がある。

 17年度の調整交付金は吉野ヶ里町が約3200万円、上峰町が約3700万円に上る。ヘリが転出した場合、発着回数などを基に算定される調整交付金は減額され、町道整備などに影響が及ぶとみている。

 隊員の転出も懸念し、両町は「人口が維持できているのは隊員の存在も大きい」と捉え、地域経済への影響も少なくないとみる。

 吉野ヶ里町の伊東健吾町長は「これまで共存共栄でやってきた」と一定の駐屯地機能の存続を期待する。武広上峰町長は知事の判断に「移転先の気持ちを考えると複雑な思いもあるが、騒音の軽減を訴えてきた立場からすれば賛成できる」と一定の理解を示した上で、「目達原の周辺地対策も求めたい」と強調した。

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