今年の夏は記録的な猛暑が続いた。猛暑には経済効果もあるが、「命に関わる暑さ」は問題だ。炎天下で働く人たちも多く、対症療法の「熱中症対策」だけでは済まなくなっている。また、7、8月で15個の台風が発生し、東から西へ“逆走”した台風12号など異常気象の度合いは年々強まっている。命を守る意味でも、官民連携で夏季休暇の取得や在宅勤務など夏場の柔軟な働き方を推進したい。

 今年はお盆の8月13~15日が、月~水曜の平日だった。そのため、暦通り、お盆に仕事をした人も多いだろう。必要な仕事がほとんどだとは思うが、中には「他の日でもできる仕事だった」とか、「休んでも問題なかった」という人もいたのではないか。

 お盆が平日の場合、4、5年前までは、2、3日間の夏季休暇が一般的だった。しかし、2016年に、8月11日が「山の日」の祝日になってから変化が現れた。今年はお盆前後の土日を合わせ、8月11~19日の最長9日間を夏休みとする企業が佐賀県内でも出てきた。

 酷暑の中で無理をして働くより、休みを取って英気を養う方がプラスになると考えてのことだろうし、「働き方改革」も、その流れを後押ししている。

 また、インターネットの普及や機械化により、必ずしも人手が必要でなくなってきた。酷暑の8月に、社会全体で休日取得を進めても、大きな問題は生じないと考える。各企業、職場で8月11~15日を夏季休暇として定着させてはどうだろうか。制度化された夏季休暇に個人の年休をプラスすれば、欧州並みの夏季休暇が実現できる。

 勤勉な国民性もあるが、日本人は有給休暇の消化が少ない。「休むことへの後ろめたさ」や、「仕事量が多くて休めない」「休んだら、後でしわ寄せが出る」という人もいるだろう。しかし、今は「休まずに長時間働く」より、「短時間で成果を出す働き方」が求められている。仕事の「属人化」ではなく仕事の「シェア」など仕事のやり方はもちろん、「仕事量」より仕事の「質」や「成果」を重視した評価制度など、抜本的な「働き方改革」が必要である。

 その推進役としてまず、国、県、市町、地域産業のけん引役を担う金融機関に、8月11~15日の夏季休暇を先行実施してほしい。5連休が無理ならせめて8月15日だけでも休日にしよう。「平和祈念日」など法改正で祝日になるのが理想だが、それができなくても、官公庁や金融機関が15日を休みにすれば、他も追随しやすい。年末・年始休暇と同じ考え方であり、多少の不便さは享受しなければならない。

 異常気象が今年だけで終わる可能性は小さく、来年以降も猛暑の夏が続くだろう。2020年の東京五輪・パラリンピックがきっかけとなり、サマータイムの導入も本格的に検討され始めた。ただ、サマータイムには課題も多く、むしろ、お盆を中心にした休日取得の流れをつくり、その上で時差出勤や在宅勤務など天候に応じた勤務形態を推進すべきと考える。各企業は、可能な限り、夏季休暇を制度化していこう。福利厚生の充実は、採用面でも役に立つはずだ。(中島義彦)

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