国営諫早湾干拓事業の開門問題に関し、農林水産省は17日、開門しない代わりに創設する基金の経費を、2019年度予算の概算要求に盛り込まない方針を示した。開門せずに基金で解決を目指す政府方針に変わりはなく、「具体的に和解の場面が見えてくれば、財政当局と相談する」としている。

 政府は、本年度予算の概算要求で基金の経費100億円を盛り込んだが、「関連訴訟で和解協議の場が設けられていない」ことを理由に、最終的に予算計上を見送った経緯がある。

 農地資源課は来年度予算の概算要求に基金の経費を盛り込まなかった理由について「本年と同じで和解協議の場面がない」と話す。開門しない前提で基金による解決を目指す方針に変わりはなく、「開門準備などの経費を計上することもない」としている。

 これまで国は、開門するまで漁業者側に支払う制裁金として1日90万円の365日分に当たる3億2850万円を盛り込んできたが、開門命令を無効とした7月30日の福岡高裁判決で制裁金が止まったことを受け、来年度の概算要求には計上しない方針。

 有明海特措法に基づく再生対策の関連事業は「重要な政策課題であり、例年通りの対応になる」(農地資源課)と説明し、約18億円規模を盛り込むとみられる。

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