古賀末廣さん「緑釉印花鉢」

江口康成さん「和紙染魚文皿」

武雄焼の魅力を披露する窯元たち=佐賀市の佐賀玉屋

 武雄の焼き物の祖といわれる深海宗伝が亡くなって400年。武雄市内の有志6窯元が開く「秋彩展」は、宗伝が開いた武雄焼を受け継ぎ、多様に進化した武雄焼の今を披露する。

 4回目を数える武雄焼有志展。今回は宗伝没後400年をテーマに、鉄絵、緑釉など武雄焼源流の技術をはじめ、赤絵、緋襷(ひだすき)など幅広い技法で大作から日常使いの器を並べる。

 古賀末廣さん(亀翁窯)は、釉裏紅の故田中一晃さんの一位窯で修業し、1998年の独立から土ものを手がける。印花文に緑釉を施した「緑釉印花鉢」など、一位窯時代の磁器のテイストを加えた陶器は上品さがある。

 江口康成さん(小山路窯)は、父勝美さん譲りの和紙染技法の大作「和紙染魚文皿」から、焼締(やきしめ)の一輪挿しまでモダンな世界。地元の材料で作陶に挑む馬場宏彰さん(東馬窯)。粒状模様の梅華皮(かいらぎ)釉や、武雄特産のレモングラス釉などが面白い。山口元治さん(七ツ枝窯)はトンボやウサギの文様が素朴。点と線の抽象絵柄はシンプルで、普段使いにアクセントを加える。

 山口康雄さん(康雲窯)は、土ものに赤絵、上絵をあしらい、新しい武雄焼を目指す。華やかな絵柄の中、カワセミをイメージした鳥の文様はさわやか。山口忠俊さん(宸山窯)は、息子博嗣さんとともに肥前焼の緋襷を取り入れるなど意欲的。博嗣さんは磁器も手がける。

 武雄には10年以上継続した古窯が98カ所確認され、有田、唐津、嬉野が交わる「焼き物の集積地」。古賀さんは、「宗伝没後400年の今、多彩に広がった武雄焼を見てほしい」と、来場を呼びかける。

 

 ▼佐賀市の佐賀玉屋本館6階で20日まで。限定120個の宗伝没後400年記念品の販売や、印花文皿作り体験などがある。18日午後2時から九州陶磁文化館の鈴田由紀夫館長が、深海宗伝について特別講演する。

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