平和への思いを込め「月光」を弾く長尾咲幸さん=鳥栖市のサンメッセ鳥栖

正午に合わせて黙とうをする参列者や神職=佐賀市の佐賀県護国神社

敗戦の日・平和の集いで講演する崎山会長=佐賀市の県自治労会館

 終戦から73年を迎えた15日、佐賀県内でも戦没者を追悼し、平和を願う催しが各地で開かれた。戦争体験者が高齢化する中、後世に悲惨な戦争を語り継ぎ、戦後日本が築いてきた平和を維持することを誓った。

平和への思い、「月光」に込め

 太平洋戦争末期に音楽学校の生徒だった2人の特攻隊員が今生の別れに弾いたとされるドイツ・フッペル社製のピアノを演奏するコンサートが、鳥栖市のサンメッセ鳥栖であった。

 市民ら約120人が黙とうをささげた後、鳥栖中3年の長尾咲幸さん(14)がベートーベン作曲のピアノソナタ「月光」を演奏した。長尾さんは「2人がどんな気持ちで弾いたのかを考えながら、平和について考えるきっかけになればとの思いで演奏しました」と振り返り、「風化させないためには演奏を続けていくことが大切」と話した。

 長尾さんは2017年のフッペル鳥栖ピアノコンクールジュニア部門Aコース中学生の部で2位に入賞している。

遺族ら100人が戦没者を追悼

 「平和祈願祭」が佐賀市の佐賀県護国神社であり、約100人の参列者が県出身の戦没者の霊に祈りをささげ、平和への思いを新たにした。

 全国戦没者追悼式を中継するラジオ放送から流れる正午の時報に合わせて黙とう。玉串をささげ、同神社の徳久俊彦宮司が「み霊を慰め、遺族の安泰を願っていく。祭りを後世につないでいきたい」とあいさつした。幼い頃に、父親の山口忠吾さんを満州からの引き上げ途中に亡くした県遺族会の山口俊あきさん(83)=武雄市=は「二度と戦争が起きてはならない。この思いを次世代に引き継いでいきたい」と話していた。

長崎被爆2世、核廃絶訴える

 佐賀市の県自治労会館では、「敗戦の日・平和の集い」が開かれた。全国被爆2世団体連絡協議会の崎山昇会長(59)=長崎市=が講演し、「核と人類は共存できない」と語り、原発を含む核廃絶を訴えた。

 崎山会長は、被爆2世が抱える問題として、健康不安、放射線による遺伝的影響の可能性、社会的差別や偏見を挙げた。「核兵器の人権侵害の最たるものの一つが放射線の次世代への影響」と指摘し、「核と人類は共存できないということが世界の共通認識となれば、原発も含む核廃絶につながると確信している」と述べた。

 集いは県平和運動センターが主催し、約60人が参加した。会場から「被爆2世の組織化を阻む壁となっているのは何か」と質問があり、崎山会長は「被爆2世であると明らかにすれば、自分やその子どもが差別される恐れがあるため」と答えていた。

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