国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門の開門調査を命じた確定判決に基づく間接強制金(制裁金)を強制しないよう国が求めた訴訟で、開門を求める漁業者側は10日、一審佐賀地裁判決を取り消して国の請求を認めた二審福岡高裁判決を不服として最高裁に上告した。

 高裁判決に基づき、制裁金の漁業者側への支払いも判決言い渡し日の7月30日で停止した。国が2014年6月から4年余りの間に支払った総額は12億3030万円に上った。訴訟の中で国は制裁金の返還を求める意向を示している。

 国は2010年の福岡高裁判決が確定した後の「事情の変化」を理由に、制裁金の強制執行を免れるための手続きとなる「請求異議」の訴えを起こしていた。今年7月の高裁判決では「期間の経過で漁業権は消滅し、(漁業者の)開門請求権も消滅した」との判断を示すなど、国の主張を全面的に認めた。今回の判決によって開門命令の確定判決は事実上無効となった。

 漁業者側弁護団の馬奈木昭雄団長は「漁業権に対する判断など、この判決が間違っているのは明らかで、有明海の再生や問題の解決につながるはずがない。最高裁で必ず改めさせる」と話した。

このエントリーをはてなブックマークに追加