使った偽札は、1万円札をカラーコピーして作った粗末なものだった。偽造通貨行使罪に問われた県西部の男性被告(44)は軽はずみな気持ちで罪を犯し、仕事や家族の信頼を失った。

 興味本位から、だった。動画投稿サイトで作成方法を見て、5年半ほど前に会社のコピー機で数枚作った。「色も違うし透かしもなく、明るいお店で使える代物ではなかった」

 この頃、出会い系サイトで複数の女性と出会いを重ねていた。「相手も不純なことをやっているので警察までは行かないだろう」。肉体関係を持った対価として、20代女性に暗い車内で1枚を手渡すと、警察に届け出られ、サイトも強制退会に。無期懲役もあり得る重罪と知り、青ざめた。

 前科前歴はなく、妻は「仕事熱心」と被告を尊敬していた。今年1月の逮捕後、娘は学校に通えなくなった。被告は会社を退職。妻は離婚を考えた。

 「やったことを反省し、子どもに恥じない生き方を」。思いとどまった妻は法廷で被告を支えると誓った。

 「やった本人はもちろん悪いが、国民が法律を習う機会がもっとあれば」と裁判員。家族の監督などを理由に猶予刑が下された。(判決=懲役3年、執行猶予4年)

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