柔道男子個人60キロ級決勝 延長戦を制し優勝を決めた近藤隼斗(佐賀工)=三重県津市のサオリーナ

柔道男子個人60キロ級で優勝した佐賀工の近藤隼斗=三重県津市のサオリーナ

 延長開始から20秒。雄たけびを上げながら相手の背中を畳にたたきつけると、どよめく会場の視線を独り占めにした。柔道男子個人60キロ級は佐賀工2年の近藤隼斗が決勝で延長戦を制して優勝。「最後の1秒まで諦めずに戦い抜くことができた」と胸を張り、誇らしげに金メダルを掲げた。

 3月の全国選抜に続く日本一への道は決して平たんではなかった。高校に入って同階級で負けなしの近藤を全国のライバルたちは徹底的に研究していた。初戦からまともに組ませてもらえず、得意の投げ技に持ち込めなかった。

 準々決勝では神奈川の強豪、椙本(東海大相模)に一瞬の隙を突かれて投げ飛ばされた。審判の手が一度は真上に上がったが、ビデオ判定で技ありになり命拾い。近藤も「やられた」と一瞬思ったが、気持ちを立て直すと、ここから本領を発揮した。

 がむしゃらに前に出て怒濤(どとう)の攻めで相手をぐいぐい押し込むと、残り30秒、背負いを狙った相手をそのまま後ろからわしづかみにしてひっくり返し、逆転の一本を奪った。

 「強いやつと戦って思い切り投げ飛ばしたい」。近藤の思いは真っすぐで、だからこそ強かった。今大会も強豪が片寄ったトーナメントに入り、原田堅一監督は「難しい」と感じていたが、当の本人はインターハイの大舞台で強者と戦えることを楽しみにしていた。

 「もっと投げ技を磨いて、次は全部一本勝ちしたい」と近藤。攻めて、投げて、楽しむ。そんな単純明快な柔道で日本一をつかんだ。

 

 ▽男子60キロ級1回戦

近藤隼斗(佐賀工)合わせ技 桃吉光矢(山形・山形工)

 ▽同2回戦

近藤隼斗(佐賀工)背負い投げ 山本拓澄(埼玉・立教新座)

 ▽同3回戦

近藤隼斗(佐賀工)優勢 辻岡慶次(愛知・大成)

 ▽同準々決勝

近藤隼斗(佐賀工)抱き分かれ 椙本光真(神奈川・東海大相模)

 ▽同準決勝

近藤隼斗(佐賀工)反則勝ち 古志侑樹(奈良・天理)

 ▽同決勝

近藤隼斗(佐賀工)優勢 鷲見仁義(北海道・札幌山の手)

 ▽同66キロ級1回戦

平石悠樹(神奈川・横浜)優勢 江上宗志(佐賀工)

 ▽同73キロ級2回戦

平野龍也(千葉・習志野)優勢 相良幸成(佐賀工)

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