長崎原爆から73年となった9日、県内でも慰霊祭があり、鎮魂の祈りに包まれた。長崎市での学徒動員で生徒が被爆し命を落とした伊万里商高と佐賀商高では、学友や在校生らが黙とうをささげ、「もう過ちは繰り返さない」と核兵器廃絶と平和を誓った。

鎮魂の祈り捧げる 佐賀商

 学徒動員で生徒5人が犠牲になった佐賀商業高(当時は佐賀商業学校)の慰霊祭は、同級生や教職員、生徒ら約30人が鎮魂の祈りを捧げた。

 犠牲者の同級生は4人参加。原爆が投下された午前11時2分、参加者は長崎の方角を向いて黙とうした。

 同級生の一人、斎藤実さん(89)=佐賀市=は「戦争は人間を狂気に陥れる。今の時代は本当に幸せ」と戦争の残酷さを語り、「兵器を使った平和維持では、本当の平和は生まれない」と言葉に力を込めた。

 生徒会長で3年の内山田広輝さん(18)は「人と人が憎しみあった戦争。絶対に忘れてはならない」とあいさつ。校歌斉唱で楽器演奏した3年の中島彩菜さん(17)も「母校に原爆の犠牲者いたことを実感した。祈りが届くよう精いっぱいホルンを吹いた」と話した。

 慰霊祭は高校と同窓会が中心になって開いた。

慰霊碑に黙とう 伊万里商

 学徒動員中の長崎市で被爆し、生徒13人が犠牲になった伊万里商業高(当時は伊万里商業学校)では、同級生や遺族、学校関係者ら40人が慰霊碑に向かって黙とうをささげた。

 慰霊祭では小路恭史校長(57)が「志半ばで命を奪われた犠牲者の無念を忘れることなく、平和を希求する姿勢を貫いていきたい」と誓い、在校生を代表して生徒会長の中島樹里さん(16)が追悼の言葉を述べた。

 73年前、同校の生徒は長崎市の兵器工場に動員され、犠牲者を含む約80人が被爆した。慰霊祭は同級生が中心となり、同窓会や学校と一緒に執り行ってきたが、高齢化で参列者が2人にまで減り、今年は学校が主催した。

 同級生の池田和友さん(88)=伊万里市二里町=は「彼らが生きてたらどんな活躍をしていただろうと思うと無念でならない。とにかく戦争をしないこと。核兵器を持たないこと。世界中の人々が決意を新たにしてほしい」と求めた。

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