原木シイタケ栽培のため、伐倒作業に取り組む障害者の男性=唐津市相知町

原木シイタケ栽培でJGAPを取得した中山茂廣さん(左)とカーマンの指導スタッフ。東京五輪での食材提供を目指している=唐津市相知町

 2020年東京五輪の開幕まで丸2年となった。五輪選手村の食堂や競技会場で提供できる食材は、国際標準となる農業生産工程管理「GAP(ギャップ)」認証を取得した農場の作物に限られる中、唐津市内の農家と障害者施設が連携し、食材として原木シイタケの提供を目指している。すでに日本版の「JGAP」認証を取得しており、世界的なビッグイベントに関わりたいと意気込む。

 連携しているのは、唐津市相知町で約半世紀にわたって原木シイタケ栽培をする農家の中山茂廣さん(69)と、同市厳木町の就労継続支援B型作業所「カーマン」(河野博施設長)。7年ほど前、カーマンと関係する障害者を中山さんが雇用したことが縁で両者の関係が始まり、現在は伐倒や植菌、収穫など重労働が伴う原木シイタケ栽培の大半を委託している。

 作業を段取りする中山さんは「常時2人くらい派遣してもらっているが、作業のレベルが高く、収穫は完全にお任せの状態」と信頼を寄せる。河野施設長は「コンセプトは健常者のための障害者施設。健常者レベルに付いていけるような訓練をして、良品をつくることができないと雇用は継続できない」と強調、現場にスタッフを派遣して作業を常に見守る。昨年6月には原木シイタケとして初のJGAP認証を取得するまでに連携は深まった。

 認証を生かすために目を付けたのが東京五輪。世界的にも和食が注目される中、原木シイタケがだしなどで使えるのではと考えている。最大の課題は安定供給。中山さんの生産量は年間約2トンと県内ではトップだが、選手村での食事は膨大な量になることが予想され、必要な量も分からないのが現状だ。

 五輪食材への道のりはまだ手探りの段階だが、河野施設長は「まずは手を挙げ、自分たちの取り組みを知ってもらうことが大切」。中山さんは「菌床栽培が主流になる中、原木の良さを知ってほしい。仲間をつくってぜひ五輪の食材として納め、良さを再認識してもらいたい」と話す。

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